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植物細胞生理学(第4回 10/27)

植物細胞生理学(第4回 10/27). 細胞培養/遺伝子改変植物. オーキシン(IAA、 NAA 、2,4D ). 細胞培養. 無菌培養 → カルス(脱分化). オーキシンとサイトカイニン (ゼアチン、カイネチン、BAP) の比.  ↓ 培養細胞 (タバコ BY-2 など) (分化能力の喪失) (無限増殖能). ↓ 不定胚 → 再生(根、葉). (挿し木). <全能性> . 全能性:形質転換(遺伝子改変)植物への道、分化の研究 培養細胞系:大量均一栽培(薬用成分の生産など). 培養細胞系の利用例.

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植物細胞生理学(第4回 10/27)

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  1. 植物細胞生理学(第4回 10/27) 細胞培養/遺伝子改変植物

  2. オーキシン(IAA、NAA、2,4D) 細胞培養 無菌培養 → カルス(脱分化) オーキシンとサイトカイニン (ゼアチン、カイネチン、BAP) の比  ↓ 培養細胞 (タバコBY-2など) (分化能力の喪失) (無限増殖能) ↓ 不定胚 → 再生(根、葉) (挿し木) <全能性>  全能性:形質転換(遺伝子改変)植物への道、分化の研究 培養細胞系:大量均一栽培(薬用成分の生産など)

  3. 培養細胞系の利用例 ・・・シコニンは、ムラサキ科に属する植物のみが生合成することのできる赤色のナフトキノン系の化合物です。シコニン自体には、殺菌・消炎・止血作用が知られていましたが、最近では抗腫瘍活性や血管新生抑制作用等が報告され、薬理学的に非常に注目を集めています。薬用だけでなく、古くから紫根は、染料として「紫根染」の原料とされてきました。・・・肝心のムラサキは今日では絶滅寸前の状態で、野生品が見つかると新聞に出るくらいまで個体数が激減してしまっています。しかも栽培も難しく、シコニンの化学合成も実用的なレベルにはほど遠いのが現状です。  そこで、培養細胞による生産が京大薬学部の田端教授の研究室で始められ(左図)、最終的には三井石油化学(現・三井化学)により工業レベルでの生産系が確立されました。できたシコニンは、最初化粧品(カネボウ化粧品・バイオリップスティック)に応用されましたが、これが植物培養細胞を用いた二次代謝生産の工業化の世界最初の成功例になりました(右図)。・・・工培養細胞系は、業的に有用なだけでなく、植物二次代謝の研究モデルとしても最適であることが分かってきました。 京都大学・矢崎研究室HP( http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/W/LPGE/research/yazaki_re/theme1.html )より

  4. 葯培養 • 体細胞・・・2倍体(ゲノム(染色体セット)が2つ) • 生殖細胞(花粉、卵細胞)・・・1倍体 A, a ・・・遺伝型(遺伝子)、 [A] , [a]・・・表現型 Aa×Aa A → (倍数化) AA → 培養    ↓                    植物体再生 AAAaaa [A] [a] (コルヒチン処理) コルヒチンが重合阻害 (青:染色体、緑:紡錘糸・・・微小管(チュブリン))

  5. 遺伝子改変植物(GMO) 2010年のGMO栽培面積: 世界で1億4800万ha (29カ国)毎年10%の伸び 現在栽培されているGMO: 除草剤抵抗性と害虫抵抗性   大豆 トウモロコシ ワタ カノーラ(なたね) ここまでトータル約99% 市場規模:年間葯1500億USドル、種子販売だけで112億USドル ISAAの最新情報 → PDFで且原のHPに載せておきます。 International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications 2010年の世界の大豆の81%、 トウモロコシの29%が組換え 消費者の不安   安全性 消費者/生産者の対立 • 組換え作物は手頃なより価格で食糧、飼料、繊維を作れるのか? • 組換え作物は、気候変動の影響を軽減できるのか?また、持続性に役に立つのか? • 組換え作物は、世界の食糧確保や貧困や飢餓の緩和に役に立つのか?

  6. 大豆、ナタネ、トウモロコシ、ワタなどが実用化大豆、ナタネ、トウモロコシ、ワタなどが実用化 手作業での除草ではとても時間と労力がかかる 除草剤抵抗性作物 雑草A 雑草B 大豆 従来の除草剤による除草ではいろいろな除草剤を 組み合わせて使わなければならない 除草剤で枯れない 遺伝子組換え大豆 種まき後 に使う 雑草Aを 枯らす 雑草Bを 枯らす 1種類の除草剤で除草が可能

  7. グリホサート抵抗性大豆(ラウンドアップレディー)の例グリホサート抵抗性大豆(ラウンドアップレディー)の例 除草剤抵抗性の効果 除草剤散布前 除草剤散布2週間後 グリホサート(商品名:ラウンドアップ) 組換え体の栽培以外にも普通に使われている。 植物のアミノ酸合成を阻害。人間を含む動物への毒性が低い。 土壌中微生物により比較的容易に分解。残留性が低い。 写真提供:日本モンサント

  8. グリホサート抵抗性の場合 グリホサートはアミノ酸合成に必要なEPSPSを阻害 糖 耐性植物にはグリホサートに阻害されないEPSPS(CP4 EPSPS)の遺伝子が導入されている 除草剤抵抗性の仕組み 解糖系 ホスホエノールピルビン酸 ホスホエノールピルビン酸 EPSPS EPSPS CP4 EPSPS グリホサート (5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素) グリホサートに阻害される グリホサートに耐性 シキミ酸経路 (動物にはない) 芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン) 芳香族アミノ酸 芳香族アミノ酸 枯死 生育 植物にとって必要 非組換植物(野生型) 遺伝子組換え植物

  9. ○抵抗性雑草(スーパー雑草)の出現:   日本ではSU剤(スルホニルウレア系ALS(アセト乳酸合成酵素)阻害剤)抵抗性 ALS(アセト乳酸合成酵素)はアミノ酸(Val Leu Ile)合成の最初の段階に関与 NHKクローズアップ現代2009年9月7日放送→「スーパー雑草」で動画検索 海外では、ラウンドアップ抵抗性の出現 ○ラウンドアップの継続購入が必須  (農薬会社の支配力、農民の経済力) 除草剤抵抗性作物の問題点 GMO普及の理由 ○栽培コスト(労働力コスト、燃料コスト)の削減 経済効果:ISAAAによると440億米ドル相当(1996年から2007年)内訳は44%が穀物収量の増加によるもの、56%が生産コストの減少によるもの(359,000トンの殺虫剤有効成分の節減を含む)。 ○環境への貢献 * 不耕起栽培の導入による化石燃料使用の減少と土壌流出の防止 * 環境負荷の少ない除草剤の使用への切り替え

  10. 主にトウモロコシ、ワタにおいて実用化 害虫抵抗性作物 非組換え 遺伝子組換え Btタンパク質を生産 Btタンパク質 微生物(Bacillus thuringiensis)が作る殺虫性タンパク質 様々な種類があり、それぞれ特定の昆虫に効果がある 生物農薬として有機栽培にも40年以上使われている

  11. アワノメイガによるトウモロコシの被害 トウモロコシの茎の断面 遺伝子組換え 非組換え アワノメイガ トウモロコシに被害をもたらす害虫 Btタンパク質を食べると死ぬ 茎の内部にいるので殺虫剤は効果が無い 写真提供:日本モンサント

  12. Btタンパク質の特異性 害虫 ヒトや家畜など Btタンパク質 消化管に Btタンパク質の 受容体がある 胃で分解される 胃腸に 受容体がない 他のタンパク質 と同じように 消化される 消化管が 破壊される だいじょうぶ 死んでしまう

  13. 害虫抵抗性作物の栽培状況 普及の程度 2010年の世界のトウモロコシの29%、ワタの64%が組換え(国際アグリバイオ事業団のデータ)。その多くが害虫抵抗性。 新しい品種 アワノメイガに対するBtタンパク質以外に、例えば「根切り虫」に対するBtタンパク質を発現させた品種や、複数のBtタンパク質を発現させた品種の開発も進んでいる。 緩衝地帯 Btタンパク質に耐性の害虫の出現を防ぐため、組換えでない品種を一定量栽培する緩衝地帯が必要。 非組換え 根切り虫による被害を受けている 遺伝子組換え 根切り虫に耐性を示す 写真提供:日本モンサント

  14. ウイルス抵抗性パパイヤ (ハワイのパパイヤの半分以上) パパイヤ: パイナップルに次ぐハワイの重要な農産物(果物) パパイヤリングスポットウイルス(PRSV) 世界中で問題 抵抗性品種が無い 1950年代からハワイで深刻化 遺伝子組換え技術による抵抗性品種の作出

  15. PRSV抵抗性パパイヤの開発 1984-87 ウイルス遺伝子の解析、ベクター開発 抵抗性の原理:コートタンパク質の発現 (現在ではRNAiによる効果と判明) 1988-89 遺伝子導入法の確立 パーティクルガンにより導入 1991 組換えパパイヤの完成 1992 圃場試験の開始

  16. PRSV抵抗性パパイヤの実用化 1992年4月 圃場試験の開始(オアフ島) 1992年5月 プナ地区(ハワイ島)でPRSVが発見 1994年   プナ地区で被害が深刻化 1998年5月 実用化が承認 1992年 圃場試験 1994年 ハワイのパパイヤの危機

  17. ハワイのパパイヤの現状 パパイヤ生産はウイルス被害以前程度に回復 ハワイの組換えパパイヤが50%超え(2004年) ハワイ市場では組換えも非組換えも区別無く販売されている 日本は組換えパパイヤの輸入を承認していない(2006年) 食品安全委員会 遺伝子組み換えパパイヤの安全性を確認(2009年) パパイヤ農場の様子 Kapoho(非組換え)とRainbow(組換え)

  18. 遺伝子組換え植物の実用化によって懸念される危険性遺伝子組換え植物の実用化によって懸念される危険性 (1)食品としての安全性 A. 導入される遺伝子そのものの安全性 B. 遺伝子産物の安全性 1. 抗生物質代謝酵素によって抗生物質が効かなくなるのではないか 2. 抗生物質耐性遺伝子の微生物への水平移動 3. 導入されたタンパク質(抗生物質耐性遺伝子産物)に毒性はないのか 4. アレルゲンの可能性 5. 遺伝子導入による植物における変異の誘発 6. 慢性毒性に関して検討されていない (2)環境に対する安全性 A. 導入遺伝子の拡散(遺伝子汚染) 1. 組み換え植物の野生化 2. 花粉を通じた近縁植物への拡散 3. 微生物への拡散 B. 導入遺伝子に対する対抗進化 1. 除草剤抵抗性雑草の進化 2. 耐性病原微生物の進化 C. 生態系への予期しない影響

  19. 消費者/一般市民とのコミュニケーション • バイオテクノロジーの有用性は理解(ただし、何に使うかが問題) • 知識があっても、受け入れるとは限らない • 政策決定に参加できることが望まれている • 現実には、問題は複合的である 食の安全・安心条例 (北海道の場合-2005年施行)

  20. 今後はどうするか • 地球と人類のための利益が市民によって容易に理解でき、受け入れやすいもの • 従来の農産物と比べたメリット を活かす健康・栄養面、味・品質向上、環境、経済上、食糧供給 • 非食用(鑑賞、医療、環境) • 食用(健康に役立つ、地球規模での増産)  → 乾燥耐性トウモロコシ (2012年商用生産開始予定)

  21. ビタミンA欠乏による 公衆衛生の重要度 世界のビタミンA欠乏(1996年) 欠乏 重度潜伏性 中度潜伏性 軽度潜伏性 制御されている データ未入手 一人あたりの摂取カロリー が2700Kcal以下 水域 出典:世界食糧機構(FAO)

  22. カロテノイド生合成とゴールデンライス 普通のコメの可食部 トウモロコから導入 ゴールデンライス ビタミンAの前駆体であるβカロテンを作る http://www.goldenrice.org/ 2013年商用栽培開始予定 Nature Biotechnology (2005)から引用

  23. 青いバラの作出:日本では2009年11月市販化青いバラの作出:日本では2009年11月市販化 写真提供:サントリー(株) 宿主 (市販の青色系バラ) 組換えバラ:アプローズ (サントリーの商品名)

  24. 花の色と色素 アントシアニンは花の色を決定する主要色素の1つ ←   アントシアニン   → フラボノイド カルコン オーロン ペラルゴニジン シアニジン (クリサンテミン) デルフィニジン メタロアントシアニン 液胞に局在 非フラボノイド カロテノイド ベタキサンチン ベタシアニン クロロフィル プラスチドに局在 クロモプラスト

  25. (アサガオの場合は表皮細胞) (カエデの場合は葉肉細胞) http://www.human.nagoya-u.ac.jp/lab/yoshida/research3.html 液胞にアントシアニン系の色素がたまるといっても葉では葉肉細胞(柔組織)、花では表皮細胞の液胞が着色。

  26. 花に含まれるアントシアニジン 以下の3種類のアントシアニジンの基本骨格で多彩な花色が決まる デルフィニジンを作るにはF3’ 5’H(青色酵素)の遺伝子が必要

  27. フラボノイド生合成経路(花の色の設計図) デルフィニジン シアニジン ペラルゴニジン

  28. 青いカーネションの作出 白いカーネションにペチュニアの2つの遺伝子を導入 バラの場合はパンジーの遺伝子 青いカーネーション (ムーンダスト) 1997年~ デルフィニジン 写真提供:サントリー(株)

  29. 青いカーネーションの生産と流通 ヨーロッパ 北米 日本 コロンビア エクアドル 北米を中心に 日欧豪でも販売 (約1,000万本/年) オーストラリア 写真提供:サントリー(株)

  30. 実用化が期待される第二世代の遺伝子組換え植物実用化が期待される第二世代の遺伝子組換え植物  1.食糧増収 環境耐性(耐乾燥、耐寒、耐塩) 物質同化能向上(光合成炭酸同化、窒素同化、硫黄・リン同化、微量元素吸収蓄積)  2.有用物質生産 一次代謝産物(糖、アミノ酸、脂質) 二次代謝産物(ビタミン、テルペノイド、 フラボノイド、アルカロイド) 医薬品(ワクチン、ペプチドホルモン) 機能性食品(低アレルゲン、低コレステロール) 工業原料(プラスチック、炭化水素、)  3.環境保全・修復 大気浄化(CO2の吸収同化、NOx・SOxの吸収同化) 水・土壌浄化(重金属除去、環境ホルモン除去) 環境モニター

  31. 医療用の遺伝子組み換え植物 • 植物に医薬成分や原料を製造させる → 低コスト化 発展途上国に利益/大企業の思惑例:アフリカ共和国 タバコ、トウモロコシ ヒト免疫不全ウイルス(HIV)や結核の特効薬インシュリンなど(現在組み換え微生物利用) • ワクチン成分を食用の植物につくらせてる低コスト(1/10から1/100) 輸送、貯蔵ワクチン用のタンパク質400万投与分/ヘクタール → 「食べるワクチン」 コレラワクチン生産バナナ/コメ 途上国がリスク、先進国が恩恵の懸念

  32. スギ花粉症緩和米の開発研究(独)農業生物資源研究所-農水省スギ花粉症緩和米の開発研究(独)農業生物資源研究所-農水省 • 初期療法:対処療法 • 減感作療法 抗原(花粉)を少しずつ増やしながら注射していく ・・・抗原に慣れさせてる

  33. スギ花粉症緩和米の開発研究(独)農業生物資源研究所-農水省スギ花粉症緩和米の開発研究(独)農業生物資源研究所-農水省 • 毎日のご飯を食べることによって、スギ花粉に対する減感作治療法をする • 花粉が持っている抗原決定基(エピトープ) を米に持たせる(遺伝子導入法による) • 隔離圃場(野外実験)2006年~09年 •  動物実験(医薬品として)  2010年~14年

  34. 環境問題と遺伝子導入作物 • 農薬使用削減・・・別の方法もある? • 不耕起栽培に土壌流出防止耕起(雑草予防)・・・しなくても済む? • 家畜が利用できるリン酸形態・・・適切な施肥で防げる? • 重金属蓄積植物・・・植物体の処理の問題→ 微生物使用が現実的。環境拡散は? • 環境モニター → ダイオキシンのモニター植物

  35. 研究例:  ダイオキシン類モニタリング用植物(福山大学、サントリー株式会社)

  36. 組換え植物の開発から認可までの流れ(青いカーネーションの場合)組換え植物の開発から認可までの流れ(青いカーネーションの場合) 生物多様性影響評価 競合における優位性 有害物質の産生性 交雑性 カルタヘナ法(通称)に基づく試験、手続きが必要 文科省 農水省&環境省 大臣承認必要 大臣承認不要 約 2~3年 約 0.5~1年 6ヶ月 約 0.5~1年 6ヶ月  申請・検討会・パブコメ  申請・検討会・パブコメ 生産・流通・販売可能 一般ほ場での栽培 閉鎖系実験 (P1P) ・組換え植物作出 ・特定網室試験の 申請に必要な データ収集 特定網室試験 ・隔離ほ場実験の 申請に必要な データ収集 隔離ほ場試験 一般ほ場栽培の申請に 必要なデータ収集 承認 承認 第ニ種使用等 第一種使用等

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