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ATLAS 実験ミューオントリガーシステムの ビームテスト及びシミュレーションによる総合評価

平成15年度 修士学位論文. ATLAS 実験ミューオントリガーシステムの ビームテスト及びシミュレーションによる総合評価. 東京大学 理学系研究科 物理学専攻 小林富雄研究室 修士2年 片岡洋介. 内容. LHC 計画と ATLAS 実験 TGC ( Thin Gap Chamber )システム TGC エレクトロニクスのビームテスト TGC トリガーシミュレーション まとめ. LHC 計画. CERN において建設中の      陽子陽子衝突型加速器  2007年運転開始予定  周長: 27km  重心系衝突エネルギー: 14TeV

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ATLAS 実験ミューオントリガーシステムの ビームテスト及びシミュレーションによる総合評価

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Presentation Transcript


  1. 平成15年度 修士学位論文 ATLAS実験ミューオントリガーシステムのビームテスト及びシミュレーションによる総合評価 東京大学 理学系研究科 物理学専攻 小林富雄研究室 修士2年 片岡洋介

  2. 内容 • LHC計画とATLAS実験 • TGC(Thin Gap Chamber)システム • TGCエレクトロニクスのビームテスト • TGCトリガーシミュレーション • まとめ

  3. LHC計画 CERNにおいて建設中の      陽子陽子衝突型加速器  2007年運転開始予定  周長: 27km  重心系衝突エネルギー: 14TeV  バンチ衝突: 40.08MHz LHCの物理 Higgs粒子探索 ~1TeV   超対称性粒子探索 ~TeV   トップクオーク、ボトムクオークの精密測定

  4. ATLAS検出器 長さ 44m, 直径 22m, 重さ 7000t

  5. ATLASのトリガーシステム 高頻度のバンチ衝突による大量のデータから興味あるイベントを選別 3段階のトリガーシステム 40.08MHz100Hz LVL1トリガーの役割  フロントエンドからのデータ読み出し  トリガー領域RoI(Region of Interest) TGC(ThinGapChamber)はエンドキャップのLVL1ミューオントリガー検出器

  6. TGCミューオントリガーシステム TGC(ThinGapChamber)検出器 Multi Wire Chamber   ワイヤー、ストリップの2次元読み出し   タイムジッターは約25ns TGCエレクトロニクス  バンチ識別  トリガー情報(pT、RoI)の出力

  7. トリガー処理の方法 M1(Triplet), M2(Doublet), M3(Doublet) コインシデンス条件 Wire Triplet(M1)2層/3層 Wire Doublet(M2,M3) 3層/4層 Strip Triplet(M1) 1層/2層 Strip Doublet(M2,M3) 3層/4層 Triplet Doublet間の位置の差 dR、df  pT判定

  8. TGCエレクトロニクス • PP(Patch Panel) … シグナルをクロックに同期化 • SLB(Slave Board) …Triplet(3層)、Doublet(4層)のコインシデンス処理 • HPT(HighPt Board) … Triplet、Doublet間のコインシデンス処理 • SL(Sector Logic) … ワイヤー、ストリップのコインシデンス処理 (pT判定) LVL1トリガー信号により、SLBSSW(StarSwitch)ROD(ReadOutDriver)     の経路で前後合わせて3バンチの読み出し

  9. ビームテストによる総合評価 フロントエンドのTGCエレクトロニクスの開発はほぼ終了 ビームテストの目的 • TGCエレクトロニクスの総合試験   読み出し部、トリガー部の試験とタイミングスキームの確認 • TGCチェンバーとの接続試験 • トリガーシステム(MuonCTPI)との統合試験  CERN, SPSのH8実験場でミューオンビームを用いて TGCシステムのビームテストを行った。

  10. セットアップ • ミューオンビーム   バンチ間隔 25ns バンチ幅4ns • トリガー 20m上流の10cm*10cmシンチ 2枚 • TGCチェンバー 3ステーション(M1,M2,M3) • TGCエレクトロニクス   全システム

  11. 読み出し部の検証 • ROD(ReadOutDriver)によるデータ整合性の検証 • ビームプロファイルとチェンバーefficiencyの確認 RODによるデータの整合性チェック • フレームエラー検査 SSWのサムチェック   フレーム構造 • IDエラー検査 Bunch IDの整合性 Event IDの連続性 全3*105eventでエラーなし

  12. プロファイル及びefficiency シンチトリガーでチェンバーのプロファイルとefficiencyを確認 multiplicity=1のプロファイルは、ほぼシンチの大きさをもつ。 • TGCは99%を超えるefficiencyをもつ。 • 一部のefficiencyは95%前後  このefficiencyの低下を検証する

  13. サポートによるefficiencyの低下 T8M32層 T8M31層 7mm幅のワイヤーサポート、直径7mmのボタンサポートで ワイヤーとカソード面の間隔を支持 (サポートは層毎にずらされる) • M1(1層、2層)、M2とM3(1層)でワイヤーサポートがかかる • 他の層でもボタンサポートがかかる ワイヤーサポートとボタンサポートの面積は   それぞれ、主要3chに対して約5%、約0.3%    efficiencyの低下はサポートのinefficiency

  14. 読み出しデータのモニター及び検証 実験中、ビームやエレクトロニクスの状態の迅速な把握のためイベントディスプレイを開発 イベントディスプレイの特徴 • オンラインでヒットマップ、トリガー情報を表示 • TGCトリガーシミュレーションを内臓(ヒットマップからトリガー出力を再現) オンラインでトリガーのverificationを行う

  15. タイミングスキームの検証 各モジュールの入力に遅延を実装 PP … delay、gateの設定   クロックへの同期化(バンチ識別) SLB、HPT、SL … delayの設定   入力の位相差を吸収(0.5クロック単位) 3バンチの読み出しデータの比較により、delay、gateを最適化する   タイムジッター20ns強とバンチ幅4nsの分布を正確にとらえる値に設定

  16. PPdelayスキャン gateの始めをジッターの始めに一致させる previousバンチにヒットがなくなる値に設定 M1=11.7ns、M2=15.6ns、M3=15.6ns M1,M2間の差はTOF(及びケーブル遅延)により発生

  17. PPgateスキャン  gateの終わりがジッターをカバー efficiencyの最大値に設定 gate幅 30 nsでefficiencyが 最大値99%をとる。 以上のタイミングスキームで 正確にバンチ識別をすることを確認

  18. トリガー部の検証 TGCトリガーシミュレーターによる検証 読み出されたヒットマップ     TGCトリガーシミュレーター SlaveBoardのトリガー出力 SectorLogicのトリガー出力を再現 TGCエレクトロニクスから読み出した  トリガー出力と比較 シンチトリガー、TGCトリガー stand alone run、combined runを通して全数一致(3*105event)

  19. トリガーefficiencyの検証 Tripletのコインシデンス(2/3,1/2)99.7%以上 Doubletのコインシデンス(3/4)97.0 % M2,M3共にM3用Doubletを使用したため、   サポートのinefficiencyが重なった(2/4)。    本来サポート位置はずれる。   アトラスではefficiencyの低下は発生しない。 SectorLogicのコインシデンス (TripletとDoublet、WireとStrip)96.7% Doubletのefficiencyの低下に対応

  20. トリガーシステムとの統合 TGC SectorLogicとMuonCTPIの接続 SectorLogic   TGC読み出し部(ROD) MuonCTPI  MuonCTPI ROD 比較、実際にpT、RoIが正しく転送されたことを全数確認。(3*105event)  実際にTGCによるトリガーのRUNを行った。(8*104event)

  21. シミュレーションによる総合評価 1.トリガースキームの検証 TGC全システムを詳細にシミュレーション 2.ハードウェアの検証  モジュール毎、又はエレキを通しての比較 3.dR, df値の評価 pTとの対応付け(R-Phiマップ)  TGCエレクトロニクスの詳細なシミュレーター    を開発し、TGCシステムを検証した。

  22. TGCトリガーシミュレーション • ATLASトリガーシミュレーションの枠組みの中で開発  各パートの動作検証後、LVL1,LVL2,Event Filterの統合 TGCシミュレーションの構成 • Full simulation(Geant)     相互作用、物質、磁場 • TGC digitizer    検出器、チャンネルのgeometry • TGC trigger simulator TGCエレクトロニクス

  23. TGC digitizer • TGCチェンバー(3700枚)  形状、位置を管理 • チャンネル(32万) 形状、位置、numberingを管理 ヒット位置をチャンネルへ変換 *次期digitizer • サポートのinefficiency

  24. TGC simulator 全TGCエレクトロニクスを詳細に再現 • 32万のチャンネル • 数万のモジュール で構成される。 • モジュール内のロジック • チャンネル配線 • モジュール結線 も実機と同等 TGCのシミュレーターは、 ハードウェアの検証に使用可能 相互に高い信頼性 例1.PP配線 例2.SLB matrix

  25. full simulationによる検証 • Geant3をベースにATLASの磁場、物質、geometryを導入 • 各pT値をもつシングルミューオンを生成  トリガーシミュレーション   (多重散乱等の相互作用を含む) SectorLogicの位置情報の単位 subsector(RoI)毎にdR、df値の確認

  26. dR,df値(Forward領域) • pTによってdRが分離   pT判定能力をもつ • +-15のウィンドウでpT=6GeVまでカバー • dfは変化が少ない。 numbering dR df

  27. dR値(Endcap領域) • pT分解能をもつ • f方向で激しく変化 subsector 12, 23周辺 1/8周期で交互に磁場の強弱 • 一部でpTの分解能が低下 • 一部で6GeVのミューオンが windowを越える 積分磁場強度 エンドキャップトロイダルから バレルトロイダルまでを示す

  28. df値(Endcap領域) Endcapは中央で大きな値 1/8周期の激しい変化(磁場構造による) z=10.5mでの磁束 • windowに入るefficiencyを示す。

  29. R-Phiマップ SectorLogicは、dR,dfとpTの関係を示すR-Rhiマップにより6段階のpT判定を行う。 R-Phiマップは、subsector毎に作成し、位置の依存性を吸収する。  全17356のsubsectorの内、forward1点を例にとる 1. 6GeV, 8GeV,10GeV,15GeV,20GeV,40GeV(+100GeV)のdR-dfプロットを作成 2. 各セルで最も頻度の高いpT値をそのセルのpT値とする。 3. 各pTの隙間は、低いpT閾値に割り当てる補正を行う (周囲8セル中4セルにpTが割り当てられていた場合、最もpTの低い値で補間する。)

  30. pT判定能力 作成したR-PhiマップがSectorLogicに実装されたときのpT判定能力を検証する pT=5~100GeVのミューオンを生成、  各閾値を越えるefficiencyをプロット (5,6,7,8,9,10,12,15,17,20,30,40,100GeV) efficiency 0.1~0.9に  遷移するpT幅

  31. まとめ ビームテストによる評価 • TGCエレクトロニクスのトリガー部、読み出し部の正常な動作を確認した。 • 25nsビームを正確にバンチ識別し、タイミングスキームを実証した。 • MuonCTPIと接続し、TGCによるLVL1トリガーの出力を確認した。 従って、TGCシステムは、LVL1の要求するエレクトロニクスを備えていることが分かった。 シミュレーションによる評価 • TGCの全領域で、6GeV以上のミューオンをほぼ確実にトリガーすることを確認した。従って、TGCシステムは、LVL1の要求する閾値(6GeV以上)によるトリガーが可能である。 • また、R-Phiマップの作成により、pT=6~20GeVの間で、1~5GeV幅の分解能を持つことを確認した。

  32. 今後の展望 • TGCエレクトロニクスのファイナルデザインを確定し、量産を進める。 • さらに大規模なTGCシステムを構築し、テストする。 • 約2万のsubsectorで、詳細なシミュレーションを行う。 • ATLASのトリガー研究に寄与する。

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