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コンピュータバリデーションセミナー

株式会社テストー 御中. コンピュータバリデーションセミナー. 2012 年 4 月 24 日. イーコンプライアンス http://eCompliance.co.jp. Table of contents. GMP 入門 医薬におけるバリデーション 適格性評価とは CSV 入門 GAMP 5 入門 厚労省新ガイドライン入門. 1. GMP 基本事項の理解. 医薬品は他の製品とどのように違うか。 また製造にはどのようなプロセスが必要か? よい医薬品の条件とは? なぜ、 GMP が必要か? GMP が生まれた背景と GMP3 原則とは?

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コンピュータバリデーションセミナー

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  1. 株式会社テストー 御中 コンピュータバリデーションセミナー 2012年4月24日 イーコンプライアンス http://eCompliance.co.jp

  2. Table of contents • GMP入門 • 医薬におけるバリデーション • 適格性評価とは • CSV入門 • GAMP 5入門 • 厚労省新ガイドライン入門

  3. 1.GMP基本事項の理解 • 医薬品は他の製品とどのように違うか。また製造にはどのようなプロセスが必要か? • よい医薬品の条件とは? • なぜ、GMPが必要か? • GMPが生まれた背景とGMP3原則とは? • 医薬品製造・品質管理にGMPはどのように役立つか? • 医薬品の製造過程で起こりやすい代表的事例で考えられることは? • 国内GMPの変換と改正薬事法のポイント(製造業と製造販売業の分離など)は何か? • GMP省令(基準)のポイントは? • GMPに要求される組織と業務

  4. 1-1)医薬品は他の製品とどのように違うか1-1)医薬品は他の製品とどのように違うか 1-1人の生命に直結  医薬品は、“病気の診断”、“治療”、“予防”などの使用されるので、“身体にさまざまな作用”を及ぼすのは当然のことである。使い方や使う量を間違えば、思わぬ有害な作用が現れることがある。極端な場合、生命に影響を及ぼす。 1-2外観からだけでは品質の良否がわかりにくい  食器やガラス製品を買うときには、欠けていないか、ヒビが入っていないか、調べて買うのが普通である。果物を買うときには、傷んでいないことを確かめて買うでしょう。しかし、医薬品は外観からだけでは、変質していないかどうか、有効成分が正しく入っているかどうかなどわかりません。従って、医薬品を使う人は、その“品質に全幅の信頼”をおいているのです。 1-3専門家の指導やアドバイスが必要  医師は患者にとって最も適切な医薬品を選び、医療関係者が使用に際して注意すべきことを患者に説明します。同じように薬局でも、服用する回数や量などについて薬剤師のアドバイスがあります。 1-4包装と添付文書が必要  錠剤や顆粒のままでは医薬品となりません。正しく保管したときに変質や汚染が起こらず、使用しやすい適切な容器に入れ、“使用・保管するときの注意などを記載した文書”を添付してから包装して、はじめて医薬品となります。

  5. 1-2)医薬品の製造にはどのようなプロセスが必要か1-2)医薬品の製造にはどのようなプロセスが必要か 原薬  医薬品は化学物質に作用する性質を、人間や動物の病気を治すための道具として利用したものです。このような性質を持っている化学物質を原薬といいます。 原薬は、科学的な方法で合成されるほか、動植物から抽出したり、微生物などを示用するバイオテクノロジーでも製造される。原薬は、いろいろ加工し、使いやすい形にして用いる。 製剤  原薬は少量で高い薬効効果を示す場合が多く、かつこの少量の原薬だけを正確に服用することはまず不可能である。このため乳糖やでん粉などの添加剤を加えて溶け易く、吸収し易く、あるいは使いやすい量・嵩にする。原薬の中には胃の中で分解して効果がわるくなるものがあり、このようなときには胃で溶けず、腸で溶けるように工夫したりする。このようにその物質が最も有効に働きやすい形に加工することを製剤化という。  製剤化では原薬の物理的性質や学的生質や生物学的性質を良く考え、主体に投与されるときの条件に気くばりし、“投与方法や剤形”を設計します。また、期待する効果が最大に得られるような“製造条件や添加剤の種類・量”などを定めます。最近では標的化や放出制御などを目指したDDS(薬送達システム)技術などが行われている。さらに、効率的に製造する方法を設定し、実験で確かめ、設計された製剤の品質が実際の生産で確保できるように“管理する方法”も決めます。

  6. 1-2)医薬品の製造にはどのようなプロセスが必要か1-2)医薬品の製造にはどのようなプロセスが必要か 包装・表示  製剤が使用されるまでに“変質するのを防止”するため、必要に応じて湿気を避けたり、光を遮断したり、みだりに空気に触れないように保護します。  さらに、不用意に高い温度で保存しないことや、正しい服用方法や適切な服用量を表示し、また副作用などの重要な情報を添えて、はじめて医薬品として世の中に出て行きます。このように市場に直結した最終の作業が包装・表示です。 試験検査  医薬品を製造するとき、品質部門は、原料や資材の受入から始まり、製造工程のなかで造られた中間製品、そして包装された最終製品まで試験検査することにより、出荷時の内容品質や包装外観などを保証します。  また保存検体の経時試験により、出荷後の品質を確認します。言い換えれば、試験検査には、このように製造の各段階で品質を確認することにより、医薬品を使用してもらうとき「この医薬品の品質は定められた規格のとおりです」と保証する大切な役割がある。

  7. 1-3)よい医薬品の条件とは  原薬や添加物などの成分が正しく含まれるとか、汚染などがないというだけでは、よい医薬品とはいえません。  製造方法や手順を間違えたために、有効成分が消化管で溶けにくくなったり、また倉庫の保管条件を間違えたために、例えば冷所保存品目を間違えて常温に長期期間保存したために有害な作用を起こす分解物ができるようなことがあれば、安心して使用してもらうことはできません。同じように原料や包装資材が適切でなければ品質が保証できません。 “よい医薬品の条件(事例)”は次のとおりです。 • 正しく使用したとき、期待通りの効果が得られ、望ましくない作用を示さないこと。 • いつも同じ品質であること。 • 使用期限内で成分が変質していないこと。 • 許される程度を越えて異物や微生物で汚染されていないこと。また内容が違う種類の医薬品を混入していないこと。 • 使いやすい剤形や包装の形態にして、正しく使ってもらい、正しく保管してもらうために注意すべき情報などを添付・記載してあること。 薬事法50~58条で規制された事項であることを理解しましょう!!!

  8. 1-4)なぜGMPが必要か  人の記憶は“あやふや”です。人は“思い込み”をしていることがあります。だから“間違い”や“錯覚”を起こしやすいのです。  人は、これぐらいはよかれと思い、“自己判断”のもと、省略や手抜きをすることがあります。それが“ミス”のもとになるのです。近道は許されません。道しるべに従って歩みましょう。  人との“情報の伝達や指示”は本人が思っているほど伝わっていません。だから文書による指示や報告が必要なのです。  工場では、開発段階で“有効性・安全性”が確認された品質の医薬品を常に造り続けなければなりません。そこに使命があるのです。 GMPでは“すべての作業手順や基準を文書化”し、そのとおりに作業を行うことが求められます。また後で振り返った時、それがわかるように証拠を残すことが求められます。それが記憶です。  医薬品は“生命に関する製品”です。世界の人々の健康と福祉に貢献しています。だから医薬製品製造に携わる人は、慎重の上にも慎重を期して、正しい作業を行わなければなりません。 このような背景から、ルール(手順)に基づく実施・その記録が基本!!!

  9. 1-5) GMPが生まれた背景 GMPの考えは米国で生まれました。米国の発展過程において食料品や医薬品は自給自足から生産・販売という分業に移っていきました。この過程で、肉の取り扱いが不潔であったり、ラベルを間違えた薬品が販売され社会問題として取り上げられるようになった。1906年には、食品加工・薬品の製造販売規制法が成立しました。規制の担当部署が現在のFDAであり、米国食品医薬品庁のはじまりである。 1937年には、スルファニルアミドをジエチレン溶解した液剤が原因で100人以上の人が死亡する事故が起こりました。医薬品の毒性や安全性について調査し、確認することが当時の法には義務づけられていなかったのです。  この事件が引き金となって1938年に方が改正され、安全性確認を最優先と、加えて医学研究を発展させることが法として公示された。この安全性最優先の方針が、おおよそ30年後にアメリカでのサリドマイド事件の被害を防止するのに役に立った。 1962年にアメリカ連邦政府は法律をさらに改正し、販売前有効であるとともに安全であることを確認していないと新規医薬品として認められない条件を設定しました。この改正に伴い、総合的に品質を保証する必要からGMPが生まれた。 このような背景から、ルール(手順)に基づく実施・その記録が基本!!!

  10. 1-6) GMP3原則 1963年米国の官報に収載した“FDA-GMP3原則”は 清潔 keep it clean 念には念を check and double check ルフレ write it and down 1970年後半に、この法律は更に厳密に見直され1979年3月には、より高い品質の医薬品を指向するとともに汚染医薬品の製造を犯罪行為とみなし、思いがけない有害な作用が顕著に発生した場合に政府機関へ報告することが義務づけられた。これが現在の米国GMPの基盤です。  このようにしてアメリカで生まれたGMPの考え方は、世界保健機構(WHO)がWHP-GMPを作成して1969年に加盟各国に適用するように勧告したこともあって現在では世界中に広まり、日本はもとより、EU・ASEANなどで法令として定められ、現在に至っている。 WHO-GMPの3原則は、 ①人為的ミスの軽減(ルール、教育訓練) ②汚染と品質低下防止 ③品質を高めるシステムを構築  であり、現在のGMPの基礎となっている。

  11. 1-7)医薬品の製造・品質管理にGMPがどのように役立つか1-7)医薬品の製造・品質管理にGMPがどのように役立つか  医薬品の製造には、原薬出発物質、合成、発酵、溶解、ろ過、乾燥、精製、粉砕、秤量、調合、混合、篩過、練合、造粒、整粒、打錠、コーティング、閉塞、充てん、表示、包装など多くの工程がある。定められた成分・加工など管理される必要がある。  しかし、それだけでは製品品質に問題ないとは云い切れません。どこかの工程で生理作用の強い分解物質が偶然にできている可能性があるかもしれません。また、交叉汚染が生じているかもしれません。“分解物や汚染物質が現在の試験検査の方法で検出できる証拠”が必要となります。  トリファノファンの悲劇は、工程の条件を変更したときに生ずる不純物について十分な確認を怠ったために発生しました。残念なことに当時の試験ではこの不純物が検出できませんでした。そのため、製品品質が試験規格に適合していたので問題なしと判断し、出荷されたのです。この悲劇を繰り返さないためにはどうすればよいのでしょうか。  出来上がったものを丁寧に調べてみても製品の品質を保証できません。 “受入から保管・製造の段階ごとに間違いがないことを保証し、その保証を積み上げる”以外に方法はありません。条件や手順だけでなく、原料、設備・装置、環境清浄度、工程や試験で使用する計器の校正など全てが対象となります。GMPが医薬品品質保証の条件となったのです。

  12. 1-8)医薬品の製造過程で起こりやすい事象の代表的事例1-8)医薬品の製造過程で起こりやすい事象の代表的事例 • 原材料名を間違って記載、使用する。 • 試験未了品や不合格品を間違って使用、出荷する。 • 原材料を量り間違えし、使用する。 • 作業場の状態の確認が適切でない。 • 作業手順や手続きを間違う。 • 異物の混入や微生物汚染が起こる。 • 異品種の原材料混入や製品を出庫する。 • 手順書記載内容が“あいまい”なため、正しい作業が実施できない。 • 手順の間違い、表示の不正確を責任者及び担当者が黙認している。 • 逸脱や変更に対して、適切な処置が取られていない。  などである。 GMPでは、上流に遡って、手順を設定するとともに、随所に 関所を設けて、計画的及び体系的管理すること保証に繋げる。

  13. 1-9)国内GMPの変遷 • 1974年:行政指導の基準としてGMPを制定 • 1980年:法的拘束力を持つ基準として厚生省令を制定 • 1990年:原薬GMP基準を制定 • 1994年:GMPソフト・ハードを許可要件化された。WHO-GMPとの整合性を図るため、バリデーション・自己点検・教育訓練・回収処理を順守事項化された。 • 1994年~2004年:生物学的製剤、新指定医薬部外品、細胞組織医薬品、生物由来製品など順次、GMP適用範囲が拡大された。 • 2002年:“日米EU医薬品規制調和国際会議にてICH-Q7A(原薬GMPガイドライン)の制定”を受けて、国内にてQ7Aは原薬(API)に関して準拠基準として通知された。 • 2006年:1)薬事法の抜本改正に伴い、GMPは製品許可要件から製品承認要件に移行した。2)海外製造所にも新GMPは適用されることになった。 問題1:新GMPの特徴(目玉)を3項目挙げてください

  14. 1-10)改正薬事法のポイント 1)薬事法改正の視点  平成14年7月31日に公布された薬事法の改正は、国際的な整合性や科学技術の進展1企業行動の多様化等社会情勢の変化を踏まえ、医薬品の承認許可制度や安全対策などの見直しが必要との視点から行われたものである。  医薬品企業にとっては、有効で、合理的な品質保証体制安全管理体制のさらなる整備が求められていると理解することができます。  承認許可制度の見直しにおいて従来の医薬品の製造(輸入)承認と許可の制度が変更され、製造のみを行う製造業と製造販売承認を得た医薬品を市場に出荷し、品質・安全性・有効性に責任を持つ製造販売業に区分された制度となりました。  これにより製造業者が製造した医薬品は製造販売業者のみが市場へ出荷することになりました。

  15. 1-10)改正薬事法のポイント 3)GMPの位置付け(製造販売する品目の承認要件)  製造承認制度の見直しに伴い、GMPの位置付けが従来の製造業の許可の要件から製造販売業者か申請する品目の承認の要件の一つとなりました。  その品目(関係する原薬等を含めて)を製造する製造業(工場)におけるGMPが、有効性・安全性など他の承認要件とともに審査の対象となり、適合しない場合は、製造販売承認を得ることができません。 4)製造業の許可  製造業の許可については、従来の製造所単位での品目ごとの許可体系から製品の区分ごとの許可体系に変更され、それぞれの許可の区分に応じた「薬局等構造設備規則」(厚生労働省180号)適合したものに製造業の許可が与えられます。  また外国において日本に輸出される医薬品を製造しようとする者(「外国製造業者」)は厚生労働大臣の認定を受けることができ、その認定は、厚生労働省令で定める区分に従い、製造所ごとに与えられることになっています。  なお他の試験検査機関それ自体については業許可の対象となっていませんが、品目ごとのGMP適合性調査の対象となります。

  16. 1-11) GMP省令(基準)の要点 (1)GMP基準の要点は概略下記のとおり、全体として国際的調和を図り、「変更管理」「逸脱管理」「文書管理」条項が加えられ品質保証機能が強化された。 (2)輸入販売業及び区分許可制度の廃条に伴いGMPI(輸入販売制度)及び区分許可GMPが廃止されGMPに一元化し、国内・海外製造業に共通の基準として適用された。 (3)製造管理責任者及び品質管理責任者の業務がそれぞれ製造部門及び品質部門の業務として改められた。 (4)製造所からの出荷の可否を決定する業務は製造管理者に代わり品質部門が行うこととなり、製造管理者は日常業務から、製造部門、品質部門の管理監督や、“品質情報や品質に重要な影響を及ぼす事項”の措置決定に力点をおくなど、上位の管理業務とすることに定められました。 (5)品質部門が、製造手順書の変更及び製造標準書等を承認することやバリデーション文書、逸脱に関する評価の結果及びその措置等について確認することが明確にされた。 (6)製造衛生管理基準書が衛生管理基準書に改められ、試験検査業務等も衛生管理の対象とすることが明確になった。 (7)「文書及び記録の管理」に係る事項が明確に規定され、作成、確認、承認、配布及び改訂に係る履歴の保管等について手順書に従うことが明確化された。

  17. 1-12) GMP組織と業務 • 製造部門及び品質部門には、製造・品質管理業務を適正かつ円滑に実施しうる能力を有する責任者を配置する。また、製造/品質管理業務を適切に実施しうる能力を有する人員を十分に確保する。 製造管理者の主要な業務: 1)製造管理及び品質管理に係る業務を統括し、その適正かつ円滑な実施が図られるよう管理監督する。 2)品質不良その他製品の品質に重大な影響が及ぶおそれがある場合においては、所要の措置が速やかに採られていること及びその進捗(ちょく)状況を確認し、必要に応じ、改善等所要の措置を採るよう指示する。

  18. 1-12) GMP組織と業務 製造部門の主要な業務 (1)製造指図書を作成し、指図書にもとづき製造を行いロットごとに記録を作成し保管する。 (2)製造設備の点検整備や計器校正及びその記録の作成・保管。 (3)資材・原料・製品の保管、出納の記録、構造設備の清掃並びに職員の衛生管理に関する記録により製造管理が適切に行われていることを確認し、その結果を品質部門に文書にて報告する。 品質部門の主要な業務 (1)資材、原料及び製品についてロットごと又は管理単位ごとに検体を採取し、記録を作成し保管する。 (2)採取した検体について試験検査を行いその結果の判定を行い文書にて製造部門に報告する。また記録を作成し保管する。 (3)あらかじめ指名したものに製造管理及び品質管理の結果の照査及びロットごとに製品の製造所からの出荷可否の決定を行わせる。 (4)参照品の保管管理や試験検査機器の点検整備及び計器の校正。

  19. GMPにおけるハードとソフト 「ハード」と「ソフト」 は、GMPを語る上でははずせない要素・考え方である。 GMPハードとGMPソフトの両面で、GMPの3つの原則を達成する。 • ハード • ハードとは、製造施設・設備・機器等のこと • 間違いを防ぐことのできる設備・環境の製造所であること • 衛生的な設備・環境の製造所であること • 高い品質を保ち続けることができる設備・環境の製造所であること • ソフト • ルールを決めて文書化すること • ルールどおりに実施し、記録を作成すること • 定期的に見直しを行い、改善をはかること

  20. GMPハードとGMPソフト • GMPソフト • 品質保証システム(変更、逸脱、苦情、回収、CAPA手順等) • サイトマスターファイル • マスターバッチレコード • 試験記録 • 生データ • 各種基準書・手順書 • バリデーション文書(バリデーションマスタープラン:VMP) • 設備・機器適格性評価 • 校正・メンテナンス記録 • 年次レビュ • 教育訓練記録 • GMPハード • 製造施設・設備・機器 • 試験施設・設備・機器 • 製品倉庫 • 原料倉庫 • 資材倉庫 • 危険物倉庫 • 技術研究施設・設備・機器 • コンピュータシステム • 廃棄施設・設備 • 浄化施設・設備 • ユーティリティ(HVAC) • 製造用水システム • 衛生管理システム

  21. GMPにおけるハードとソフト • 医薬品製造工場を作ろうと思えば、そのノウハウを有した施行会社に任せれば、素晴らしい構造設備を有した工場が完成する。ここに大きな落とし穴がある。自らのコンセプトに合致した設備が建設されていることの確固たる保証の欠落である。自分たちが意図した設備を有する設計であることの確固たる証拠があることが、GMPハードを作る上での基本事項となる。 • GMPハードの実運用が、GMPソフトである。多くの企業はここで多くの問題や悩みを抱えることとなり、それが査察において露呈すれば、指摘事項として報告される。 • 近年の査察での指摘を見ても、ソフトに関する指摘が非常に多い。これはソフトを見れば、その企業のポリシーや、組織体質、品質レベル、人が一目瞭然になるからである。高度で一環した品質システムは、必ず高品質を生むのである。 • サイトマスターファイル、バリデーションマスタープラン、年次レビュー、変更管理、逸脱管理、CAPAは、その製造所の医薬品品質システムの全体像と、企業の品質方針に向けた取り組みが最も顕著に表れる項目である。査察官の立場からすると、これらに関わる書類と品質マニュアルさえ確認しておけば、おおよその製造所の管理状況が判るといっても過言ではない。 • 査察において主役となりうるこれらの書類は、査察直前に準備するものではないことは言うまでもない。

  22. Table of contents • GMP入門 • 医薬におけるバリデーション • 適格性評価とは • CSV入門 • GAMP 5入門 • 厚労省新ガイドライン入門

  23. 医薬におけるバリデーションとは(FDA Guidelines on General Principles of Process Validation – 1987) “Establishing documented evidence which provides a high degree of assurance that a specific process will consistently produce a product meeting its predetermined specifications and quality characteristics.” 文書化された証拠を確立してゆく作業であり、これはあらかじめ定めた仕様や品質にあった製品を継続的に生産するプロセスに対して、高度の保証を与えるものである。 Average-3 Std.Dev. Average Average+3 Std.Dev. 99.73%

  24. 不安定なプロセス Total Variation Time • 常時変動している。平均が上下している。変動も増減している。 • 全変動(Total Variation)も時間とともに増加

  25. 安定なプロセス Total Variation Time

  26. 良好な製品を首尾一貫して生産するプロセス CAPABLE NOT CAPABLE Spec Limits Time

  27. 医薬品GMP省令におけるバリデーション (定義) 第二条 5 この省令で「バリデーション」とは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法(以下「製造手順等」という。)が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることをいう。

  28. 医薬品GMP省令におけるバリデーション 第十三条 製造業者等は、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。 一 次に掲げる場合においてバリデーションを行うこと。 イ 当該製造所において新たに医薬品の製造を開始する場合 ロ 製造手順等に製品の品質に大きな影響を及ぼす変更がある場合 ハ その他製品の製造管理及び品質管理を適切に行うために必要と認められる場合 二 バリデーションの計画及び結果を品質部門に対して文書により報告すること。 2 製造業者等は、前項第一号のバリデーションの結果に基づき、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合においては、所要の措置を採るとともに、当該措置の記録を作成し、これを保管しなければならない。

  29. GMPにおけるバリデーションの種類 バリデーション プロセスバリデーション (PV) コンピュータシステムバリデーション(CSV) 適格性評価 (Qualification) 洗浄バリデーション 分析法バリデーション GMP省令やバリデーション基準には、コンピュータシステムバリデーションに関する記載がない。原薬のGMPガイドラインには記載がある。

  30. バリデーション(Validation) • バリデーション(Validation)は、 • テスト(Test) • 検証(Verification) • 適格性評価(Qualification) • 証明(Certificate) • 監査(Audit) • 照査(Review) • などを使って妥当性を検証するもの。 • バリデーションの活動の中に適格性評価(Qualification)が含まれる。 • ソフトウェアのバリデーションは、テスト(機能テスト、要求テスト)や検証(Verification)で構成される。

  31. 「バリデーション」と「適格性評価」との違い「バリデーション」と「適格性評価」との違い • バリデーションはソフトとハードの両方を含み、ハードに関するバリデーションはQualification(適格性評価)を行うことである。 • 適格性評価は、DQ(設計時適格性評価)、IQ(設備据付時適格性評価)、OQ(運転時適格性評価)、PQ(性能適格性評価)から構成される。 • 日本のバリデーション基準では、DQについて明確ではない。

  32. 「原薬GMPのガイドライン」(平成13年11月2日、薬発第1200号)「原薬GMPのガイドライン」(平成13年11月2日、薬発第1200号) • 原薬GMPのガイドラインにより、構造設備のバリデーションとは「適格性評価(Qualification)を行うことである」とその定義と内容が明確になった。 • すなわち構造設備を対象とするバリデーションを「適格性評価」と呼ぶ。

  33. 設備および製造支援システム(つまりハード)についての適格性評価が必要設備および製造支援システム(つまりハード)についての適格性評価が必要 設備・機械 原料・資材 製造方法・操作方法 仕込み量 素 錠 乾燥時間 コーティング液 コーティング  設備など 製品品質 製造用水供給システム 空気処理 システム 作業員 洗浄等の作業 製造を支援するシステム 製品品質にかかわる特性要因(パンコーティングの例)

  34. 構造設備(設備・機械、製造を支援するシステム)の適格性評価は、製品品質に直接影響する要因についてのみ必要(バリデーション基準)構造設備(設備・機械、製造を支援するシステム)の適格性評価は、製品品質に直接影響する要因についてのみ必要(バリデーション基準) 適格性評価は、製品品質に直接影響する要因についてのみ、設計段階でDQを、製作・施工段階でIQを、試験・検査・試運転段階でOQとPQを行うことである。 コンポーネント 重要 (Critical) 非重要 (Non‐Critical) 適格性評価の対象 適格性評価の対象 システム 直接インパクト Direct Impact 間接インパクト Indirect Impact 非インパクト NoImpact

  35. 構造設備の構築時の保証行為と適格性評価 構造設備の構築 契約などに基づく保証行為 GMPハードに基づく保証行為 適格性評価 薬局等構造 設備規則 建築基準法 消防法 エンジニアリング その他 法規・基準

  36. 適格性評価とプロセスバリデーション 契約などに基づく保証文書 製作・施工文書 試験・検査・試運転文書 • 製作(決定)仕様書 • 製作図 • 施工図/施行要領書 • マスタースケジュール • (品質管理工程表) • (製作・施工/工程表) • 工場検査実施要領書/成績書 • 据付検査実施要領書/成績書 • 計装ループ試験要領書/成績書 • 運転検査要領書/成績書 • 取扱説明書 • 完成図 設計文書 • 製作仕様書 • 設計図面 • システムフロー図 • (配管・計装図) PVへ 要求仕様書 (直接要因 および 運転管理範囲 を含む) • IQ実施計画書    /報告書 • 製作(決定)仕様書 • 設計図面 • 工場検査要領書  /成績書 • 据付検査要領書  /成績書 • IQ変更管理文書 IQ文書 OQ文書 • OQ実施計画書    /報告書 • 製作(決定)  仕様書 • 運転(適格性) 検査 要領書   /成績書 • OQ変更管理文書 DQ 文書 • DQ実施計画書    /報告書 • 要求仕様書 • 製作仕様書 • 設計図面 • システムフロー図 (配管・計装図) • DQ変更管理文書 PQ文書 • PQ実施 計画書  /報告書 • 性能適格性検査要領書/成績書 • PQ変更管理文書 適格性評価 文書 • バリデーションマスタープラン (変更管理文書を含む) • 校正要領書/成績書 GMPハード適合文書

  37. Table of contents • GMP入門 • 医薬におけるバリデーション • 適格性評価とは • CSV入門 • GAMP 5入門 • 厚労省新ガイドライン入門

  38. 適格性評価(Qualification) • 適格性評価 • IQ:初期の適格性評価で、機器が必要とされ期待されたサービス内容を持つことの確認。(据付時適格性評価) • OQ:プロセスが許容される結果を生み、限界値(ワーストケース)を確立していることのデモンストレーション。(運転時適格性評価) • PQ:長期にわたるプロセスの安定性の確立。(性能適格性評価)

  39. 据付時適格性評価(IQ) • IQは(プロセス使用機器が)正しく据え付けられたか? • 機器の設計概要(IQの配慮事項の列挙) • 据付条件 • キャリブレーション、予防保全、洗浄スケジュール • 安全性概要 • サプライヤの文書、印刷物、図面およびマニュアル • ソフトウェアの文書 • スペアパーツのリスト • 環境条件 • ※幾つかのアクションはサプライヤの社内で行われる。 • ▼全ての製造業者は使用に適した機器かどうかという評価、チャレンジ、テスト等に責任を負う。

  40. 運転時適格性評価(OQ) • OQでは、ワーストケーステストなどの製造条件を決めるテストを行って、要件に見合った製品を製造できることを保証するプロセスパラメータのチャレンジ(予備試験)をする。 • 製造プロセスの様々なアクションレベルが製品特性に応じてわかり、コントロール状態を維持できる。 • →プロセスの頑健性につながる。

  41. 運転時適格性評価(OQ) • OQでの配慮 • プロセスコントロール限界 • ソフトウェアパラメータ • 原料の仕様 • プロセス操作手順 • マテリアルハンドリング要件 • プロセス変更管理 • トレーニング(OQが出来得るスキルを持たせる教育) • 短期の安定性と工程能力(プロセスキャパビリティ) • 故障モードの影響、アクションレベルとワーストケースの条件(故障モード影響解析:FMEA、故障ツリー解析:FTA) • スクリーニング実験法のような統計的バリデート技術とプロセスを理想化する実験計画法を用いて鍵となるプロセスパラメータをこのフェーズで使用可能に出来る。

  42. 性能適格性評価(PQ) • プロセスが恒常的に規格に合格した製品を通常の操作条件において生産できることがPQでの目的 • PQでの配慮 • OQで確立した実際の製品とプロセスパラメータ並びに手法 • 製品規格の許容性 • OQで確立した工程能力の保証 • プロセスの再現(繰り返し)性、長期のプロセス安定性 • ※OQで確立した実生産の条件で製品を製造する。同時に様々なアクションレベル、それを含んだ標準操作手順書(SOP)の内容を確認し、チャレンジテストの繰り返しでよりプロセスの保証を高める。

  43. 性能適格性評価(PQ) • 製品やプロセスのデータは、プロセスのアウトプットが規格内である通常の変動範囲が決まるように解析されるべき。 • 通常の変動範囲を知ることで、コントロールされた状態か特定のアウトプットを製造できるのに一定の許容範囲にあるかが明確になる→変動幅を軽減し管理すると高度な品質保証に! • プロセスの特性や繊細さに依存するが、管理する変動要因は以下の通り • 温度/湿度/機器の外装・結露 • 電力供給上の変動/振動/光 • 環境汚染/プロセス水の純度/人的要因 • 原料の銘柄違い • 原料ロット切り替わりによる原液粘度変動(製品の除去率性能に影響)

  44. Table of contents • GMP入門 • 医薬におけるバリデーション • 適格性評価とは • CSV入門 • GAMP 5入門 • 厚労省新ガイドライン入門

  45. コンピュータ化システム導入の原則 ~ANNEX 11~ • Where a computerised system replaces a manualoperation, there should be no resultant decrease in product quality or quality assurance. 「マニュアルベースの作業をコンピュータ化システムで置き換える際に、結果として製品の品質や品質保証を劣化させてはならない。」

  46. CSV Computerized System Computer System H/W S/W 業務プロセス 設備 人 SOP Operating environment Computerized System Validation(CSV) とは?

  47. 最新のバリデーションの定義って何? コンピュータ化システムのライフサイクル(開発、導入、運用、廃棄)を通して、意図された利用にコンピュータ化されたシステムを適合させること。 Concept Project Operation Retire • バリデーション • システムがユーザ要求(Intended Use)を満たすことを保証(システムの業務への適合性の保証) • システム(ソフトウェア)の品質保証 • システムの安定稼働を保証 • システムを利用した業務のコンプライアンスを保証 ユーザ要求仕様書 意図された利用

  48. カテゴリ分類って何? GAMP 5のソフトウェアカテゴリ CSVの対象

  49. ソフトウェアカテゴリとシステムの例

  50. 機能仕様書(FS) ユーザ要求仕様書(URS) トレーサビリティマトリックスって何? X X X X X X X X X X X

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