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アウトライン. 1、はじめに( 1/7). 社会言語学 登場以降 語彙や文法の言語要素+ コミュニケーションに欠かせないもの. 言語教育 では、 言語的伝達 が非言語的伝達に対して圧倒的に 優位にある ように思いがちである (中道ら ,1995 ). 1、はじめに( 2/7). 言語行動とともに伴うしぐさなどの非言語行動は、意思交流に大きな影響を与えている (佐藤 ,1989 ;奥田 ,1992 ;高見 ,2009 )。. 例:日本人のうなずき --- アメリカ人誤解(西原 ,1995 ).

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アウトライン


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1、はじめに(1/7)

  • 社会言語学登場以降

  • 語彙や文法の言語要素+コミュニケーションに欠かせないもの

言語教育では、言語的伝達が非言語的伝達に対して圧倒的に優位にあるように思いがちである(中道ら,1995)


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1、はじめに(2/7)

  • 言語行動とともに伴うしぐさなどの非言語行動は、意思交流に大きな影響を与えている(佐藤,1989;奥田,1992;高見,2009)。

例:日本人のうなずき---アメリカ人誤解(西原,1995)

映像はテキストと同時に、非言語コミュニケーションや文化情報を理解するのに役立ち、言語習得が促進される(石田,1966;北尾,1992;池田,2003;竹内,2004;福岡2004;葉,1996)。


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1、はじめに(3/7)

  • JFL学習者は、主に教師や教科書を通して、日本語を学習したり、日本社会の価値観を認識したりする。

  • JFL学習者にとっては、日本人のNVCを理解し、習得することは環境上かなり困難である。

これを補完するために、日本語教育現場では

日本人の実際のコミュニケーションが分かる

ビデオ教材やマルチメディア教材が活用されてきた。


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1、はじめに(4/7)

  • 日本語学習者、真偽疑問文に対して「はい」のみで応答し、何かぶっきらぼうな感じ(奥津,1989)

上級日本語学習者、発表時、「はい」の多用、違和感(山元,2008)


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1、はじめに(5/7)

例1、図書館の人:外国の方ですか。

    カリナ:はい。( 『みんなの日本語』 L23)

例2、林:すみません。60円切手5枚と35円のはがき10枚ください。

局員:35円のはがきはいま売り切れなんですが。

林:じゃ、40円のをください。

局員:40円のを10枚ですね。

林:はい(a)。

局員:はい(b)。700円になります。

林:はい(c)。

局員:ありがとうございました。

( 『生活日本語』第5課会話1、下線と(a)(b)(c)は筆者による。)


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1、はじめに(6/7)

  • 従来の紙教材の中には「はい」がよく用いられているし、

  • 単独として使われることもしばしばあることが分かる。

従来の紙教材に限界が見出され、特別な教材(例えば、マルチメメディア教材)を活用しないかぎり、JFL学習者にとっては習得上に難しい点があろう。


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1、はじめに(7/7)

  • 筆者は佐藤(1987)の行動修正の概念を参考にし、

  • 特に望ましい行動が身に付いていないJFL学習者に、望ましい行動の形成あるいは増加をさせるには、

  • eラーニング教材(音声や画像が組み込まれた)の活用は、有効的な指導法の1つだと考える。


2 1 1 4

2、先行研究ー2.1「はい」に関する先行研究(1/4)

  • 奥津(1989):先行発話の性質により、「はい」の10種類の機能。

  • 北川(1977):「yes」「yeah」/「はい」と「ええ」の相違分析。

  • 富樫(2002):「はい」と「うん」の関係について、

  • 「あいづち表現に用いられる、応答に用いられる、トピックの切れ目に現れる、繰り返して用いられる」の4パターンに分けて検討。

  • 大浜(2004)応答形式:「はい」のみの応答、「はい」のない応答、

  • 「はい」を伴う応答がある

山元(2008):教室談話の「はい」の機能、

「ひとまとまりの語感が完成したことを示す機能」、「一度流れをとめ、生徒の注意をひきつけ、教師の意図通りに次の指示や発問をする機能」、「それた話題をもとに戻す機能」


2 2 2 4

2、先行研究-2.2非言語行動に関する先行研究(2/4)

  • Mehrabian,A(1968):コミュニケーション全体

    words:7%、tone of voice:38%、nonverbal communication: 55%

  • 非言語行動は言語行動と切り離せない関係があるので、聴解の指導の中に含めるべきである。(鮎澤,1988)

日本語教育は、言語教育、コミュニケーション教育、インターアクション教育のすべての面を含まなければならない。(ネウストプニー,1989)。


2 2 3 4

2、先行研究-2.2非言語行動に関する先行研究(3/4)

  • 日本語教育では言語表現形式のみならず、非言語表現形式、

     行動の様式の3つの要素のすべての領域にわたるものを教えなければならない。(水谷,1989)

  • 技術研修生に非言語伝達の学習を導入し、実践授業を行った。非言語伝達の学習が、日本語学習の初心者にとって、特に意思の間違いのない交流のために有効であるとともに、日本語能力の向上にも寄与する。(佐藤,1989)


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2、先行研究(4/4)

  • 諸先行研究は、日本語教育への非言語行動指導の必要性を論じることにとどまるものが多い。

  • 話し手は話しかけたり、働きかけたりする際に、どんな非言語行動をとるかはいくつか触れただけである。

  • 一方、聞き手はどう反応しながら受け取っているかはあまり詳しく探求されていない。


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3、結果と考察

  • 調査対象:

  • 「JPLAN中級」(以下、「JPL」)

  • 「多言語モジュール」(以下、「多言語」)

  • WEB版「エリンが挑戦日本語できます(以下、「エリン」)」

  • 方法:

  • 会話文にある「はい」を抽出。

  • その取扱い、機能、非言語行動について記述∙分析。


3 1 1 5

3、結果と考察3.1「はい」発話の取り扱いとその機能(1/5)


3 1 2 5

3、結果と考察3.1「はい」発話の取り扱いとその機能(2/5)


3 1 3 5

3、結果と考察3.1「はい」発話の取り扱いとその機能(3/5)


3 1 4 5

3、結果と考察3.1「はい」発話の取り扱いとその機能(4/5)

奥津(1989)、富樫(2002)

eラーニング教材の「はい」発話を

「応答」「あいづち」「トピックの切れ目」

という3つのタイプに分けて考察をする。


3 1 5 5

3、結果と考察3.1「はい」発話の取り扱いとその機能(5/5)


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3、結果と考察3.2非言語行動的特徴

  • 会話構造には多くの種類の非言語行動が関わっている。

  • 3.2.1:「うなずき」

  • 3.2.2:「視線」

     2つの行動指標のみに焦点をあて、例をとりあげながら考察を行う。


3 2 1 1 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」(1/21)


3 2 1 2 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (2/21)


3 2 1 3 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (3/21)

  • 例5には、「うなずき」が共起する。それは、面接官(先生(女))は「うなずき」や「ほほえみ」を用いて、雰囲気を緩和しようとする意図があると解釈されるであろう。

例5、先生(女):はい、面接はこれで終わります。

       後ろのドアから退出してください。

   受験生:はい、ありがとうございました。 (JPL1-3)


3 2 1 4 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (4/21)

  • 「疑問文の応答」(7例)の場合には、「~か」「~ね」「~でしょうか」のような先行文脈が取り上げられる。そのうち、「うなずき」と共起するのは5例である。

  • ほかの2例は、「~か」という言語形式をとっているが、どちらも純粋的なYNQではなく、「肯定」を期待して非典型的な疑問文である。例8は電話のやりとりの反応であり、「うなずき」が共起しない。

例8、先生:はい、中村です。

 ヴィエン:あっ、中村先生でいらっしゃいますか。

   先生:はい。 (JPL4-3)


3 2 1 5 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (5/21)

  • 「非疑問文の応答」(21例)の場合

  • 次のような先行文脈が取り上げられる。「~てください」「~ように(してください)」「お願します」「すみません」「~よ」「~といいね」「~ましょう」「~ほうがいい」「平叙文」である。そのほか、電話のやりとりの反応、ノックへの反応がある。

  • 「はい」発話の「うなずき」有無は先行文脈が大きく関わっているととらえられる。以下、先行文脈別にみていく。


3 2 1 6 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (6/21)

  • 1)依頼、要求の「~てください」「~ように(してください)」「お願します」:「うなずき」が共起する。

  • 2)勧誘の「~ましょう」、助言(コメント)の「~よ」と望ましいの「~といいね」「~ほうがいいですね」の場合、「うなずき」が共起する。


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3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (7/21)

  • 4)電話のやりとりの場合、「うなずき」が共起しないのは普通である(例15a,b)。しかし、例15cのような電話の場合、目の前にいなくても、特に目上の人に感謝の気持ちを表したい際に、「うなずき」が共起することがある。

  • 3)よびかけの「すみません」、ノックの場合、 「うなずき」は共起しない。

例15、ヴィエン:はい(a)、これから気をつけます。どうも申し訳ありません

した。では、あさってのお昼、12時にうかがいます。

先生:はい(b)、じゃあ、待ってますよ。

ヴィエン:はい(c)よろしくお願いします。 (JPL4-3)


3 2 1 8 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (8/21)


3 2 1 9 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (9/21)

  • あいづちの場合、「うなずき」は共起しない。

  • 「トピックの切れ目」の場合、「うなずき」は共起しない。


3 2 1 10 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (10/21)

  • 「疑問文の応答」(9例):YNQの「~か」、確認要求の「~ね」「~よね」「~だっけ」、許可の「~てもいいですか」のような先行文脈が取り上げられる。いずれも「うなずき」が共起する。

例18、店員:いらっしゃいませ。会員カード、おあずかりします。会員証はお

持ちですか?

エリン:はい。(エリンL21)


3 2 1 11 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (11/21)

  • 一方、「非疑問文の応答」 (13例):次のような先行文脈が取り上げられる。「~て」「~てください」「~ないで」「~なさい」「~てくれる」、「すみません」、「~ましょう」である。


3 2 1 12 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (12/21)

  • 1)依頼、要求の「~て」「~てください」「~ないで」「~なさい」「~てくれる」の場合には、7例のうち、6例には「うなずき」が共起する。

「うなずき」と共起しないのは、例21のように、「は~い」を長音化し発話する場合である。

例20、さき:あー、先生!私も頭がいたいんですけど、ちょっと休んでいいです

か?

先生:だめ。体育、さぼりたいだけでしょ。早くもどりなさい。

さき:はーい。(エリンL16)


3 2 1 13 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (13/21)

  • 2)勧誘の「~ましょう」の場合、「うなずき」が共起する。

  • 3)よびかけの「すみません」の場合、「うなずき」は共起しない。


3 2 1 14 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (14/21)


3 2 1 15 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (15/21)

  • 「トピックの切れ目」の場合、「うなずき」が共起しないのは普通である。しかし、図書館の場合(例24)、1つの礼儀として「うなずき」というお辞儀を示すものと解釈されよう。

例24、図書館員:はい、どうぞ。

吉田さん:ちょっとうかがたいのですが。

図書館員:なんでしょう。(多言語L13)


3 2 1 16 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (16/21)

  • 「疑問文の応答」(5例):YNQの「~か」「~は?」、否定疑問文の「~ませんか」のような先行文脈が取り上げられる。いずれも「うなずき」が共起する。

例25、通行人:学園祭があるんですか。

野村君:はい。今月の18日からです。

通行人:どんな催し物があるんですか。(多言語L28)


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3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (17/21)

  • 「非疑問文の応答」 (27例):次のような先行文脈が取り上げられる。「~て」「~てください」「お願します」「おねがいがあるんですけど」「~てもらえますか」「すみません」「指名」「平叙文」「電話のやりとり」である。

  • また、「うなずき」と共起するのは、18例、「うなずき」と共起しないのは、9例である。


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3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (18/21)

  • 1)依頼、要求の「~て」「~てください」「お願します」「お願があるんです」「~てもらえますか」「~たいんですが」の場合には、17例のうち、14例には「うなずき」が共起する。その他の3例には、1つは電話のやりとり、もう2つは指示に従い、機械を操作する用例である。

  • 2)よびかけの「すみません」「指名」の場合、「うなずき」が共起しないのは3例、共起するのは3例である。しかし、「すみません」の場合、あまり「うなずき」と共起しないが、図書館の場合、1つの礼儀として「うなずき」が共起しやすい。


3 2 1 19 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (19/21)

  • また、「指名」の場合、「うなずき」と共起しやすい(例29)。が、例30の場合、「レポート」に注視するので、「うなずき」は共起しなかった現象が見られる。

例29、田中先生:田村さん。

   田村さん:はい。

   田中先生:就職活動は進んでいますか。

   田村さん:それがなかなあk思い通りにすすまなくて。(多言語L25)

例30、斎藤先生:では、この間のレポートを返却します。山田君。

    山田君:はい。

   斎藤先生:なかなかよく書けていると思いました。(多言語L18)


3 2 1 20 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (20/21)

  • 3)電話のやりとりの場合、対話の相手は目の前にいないので、「うなずき」が共起しないのは普通である。

  • 4)例32は注文の平叙文の用例であり、受け賜わるという意味で、1つの礼儀として解釈してよかろう。


3 2 1 21 21

3、結果と考察3.2.1「うなずき」 (21/21)


3 2 2 1 13

3、結果と考察3.2.2「視線」 (1/13)


3 2 2 2 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (2/13)

  • あいづちの場合、視線を無特定(漠然とした)のところに向いて「はい」発話をする。

  • 「トピックの切れ目」の場合、特定の相手(全員)に視線を向いたり、話題で出ている事物(話題とかかわりのある)に視線を向いたりして「はい」発話をする。


3 2 2 3 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (3/13)

  • 「疑問文の応答」の場合、例37は電話のやりとりの例で、対話の相手は目の前にいないことで、無特定(漠然とした)のところに視線を向いて「はい」発話をする。それ以外、「疑問文の応答」は全部対話の相手に視線を向いて「はい」発話をする。

例37、先生:はい、中村です。

ヴィエン:あっ、中村先生でいらっしゃいますか。

先生:はい。

ヴィエン:きょう、奨学金の推薦状をお願いしましたヴィエンですが(JPL4-3)


3 2 2 4 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (4/13)

  • 「非疑問文の応答」の場合、対話の相手は14例、無特定は5例、話題事物は2例。

  • 無特定の5例はどちらも電話のやりとりの場面である

例38、ヴィエン:----(略) では、あさってのお昼、12時にうかがいます。

先生:はい、じゃあ、待ってますよ。

ヴィエン:はい、よろしくお願いします。

先生:はい、失礼します。

ヴィエン:失礼いたします。(JPL4-3)


3 2 2 5 13

3、結果と考察 3.2.2「視線」」 (5/13)

  • (新注視点)話題事物(話題とかかわりのある)の2例はどちらもノックの場合である。

例39、先生(女):次の方、どうぞ。お入り下さい。

受験生

先生(男):はい、どうぞ。 (JPL1-1)


3 2 2 6 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (6/13)


3 2 2 7 13

3、結果と考察 3.2.2「視線」」 (7/13)

  • あいづちの場合、視線を無特定(漠然とした)のところに向いて「はい」発話をする。例40は相手が説明している「合唱部」の人々に視線を向いていることが観察される。

例40、さき:こっちが 剣道部で、下が柔道部。

ここが音楽室。音楽の授業をするところ。

エリン:はい。

さき:放課後は、ほとんど 合唱部が使ってるけどね。(エリンL2)


3 2 2 8 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (8/13)

  • 「トピックの切れ目」の場合、特定の相手(全員)に視線を向いたり、話題で出ている事物に視線を向いたりして「はい」発話をする。

  • 「疑問文の応答」 「非疑問文の応答」、全部対話の相手に視線を向いて「はい」発話をする。


3 2 2 9 13

3、結果と考察 3.2.2「視線」」 (9/13)


3 2 2 10 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (10/13)

  • 「トピックの切れ目」の場合、特定の相手(全員)に視線を向いたり、話題で出ている事物に視線を向いたりして「はい」発話をする。

  • 「疑問文の応答」(5例)の場合、どれも対話の相手に視線を向いて「はい」発話をする。


3 2 2 11 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (11/13)

  • 「非疑問文の応答」の場合、対話の相手は19例、無特定は4例、話題事物は4例である。

  • 無特定の4例はどちらも電話のやりとりの場面であり、相手の発話に対する反応として「はい」が用いられる。

例48、田村さん:それから、ホテルのパンフレットを送ってほしいんですが。 

田村さん:はい、住所は東京都府中市朝日町3の11の1です。

田村さん:はい、では、よろしくお願いします。(多言語L38)


3 2 2 12 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (12/13)

  • (新注視点)話題事物の場合、どれも話題にでている事物に視線を向いて「はい」発話をする。

例49職員:じゃあ、まず、このボタンをおしてください。

  山田君:はい。

   職員:次に、倍率を選んで。

  山田君:はい。(多言語L21)


3 2 2 13 13

3、結果と考察3.2.2「視線」」 (13/13)

  • 以上3つのeラーニング教材の「はい」発話と「視線」との関係を踏まえると、次のよう傾向がうかがえる。


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4、おわりに(1/9)

  • eラーニング教材により、より適切な日本語コミュニケーション能力の習得に十分な非言語行動を提供することは可能であるという前提のもと、

  • 3つのeラーニング教材における「はい」発話を中心としてその取扱いや非言語行動とのかかわりを考察し、eラーニング教材による非言語行動提示の有用性をえることができた。


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4、おわりに(2/9)

  • 以上、考察してきた結果、次のようなことが明確になる。

1)「はい」発話:

「JPL」(14.9%)>「多言語」(8.4%)>「エリン」(7.1%)。

2)「はい」発話:

一語のみで一文が形成される例が少なくない。

「エリン」(67.9)>「多言語」(34.3%)>「JPL」(29.4%)。


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4、おわりに(3/9)

  • 3)「はい」発話の機能

  • 「応答」:最も多く81例(89.2%)、

  • 「トピックの切れ目」:10例、

  • 「あいづち」:僅か2例。

  • あいづちは、コミュニケーションを円滑にするために重要な役割を果たしているという点から、「あいづち」機能ももっと積極的に教材に取り入れるべきであろう


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4、おわりに(4/9)

4)「はい」発話の「うなずき」の有無はその先行文脈の構造が大きく関わっているように思われる。

「うなずき」と共起しやすい構文:

疑問文(~ですか、~は?、~でしょうか、~ませんか等)、同意要求(~ね、~よね、~だっけ等)、

勧誘文(~ましょう、~う等)、

依頼・要求(~てください、~て、お願します、~てもらえますか、~たいんです等)である。

あまり共起しない

「あいづち」、「トピックの切れ目」(教師の教室用語、物渡し等)、よびかけ、電話のやりとり、ノックである。


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4、おわりに(5/9)

  • 5)「はい」発話の「視線」の方向は、先行文脈とのかかわりはさほどないように見える。一方、注視点と深いかかわりがあると認められる。また、視線の方向により、「はい」発話者の注視点はどこに置かれているかがよみとれよう。

  • 「視線の方向」:

  • ①対話の相手(全員)、

  • ②話題にでている(話題とかかわる)事物、

  • ③無特定(漠然とした)のところの3種類である。

  • 最も多いのは、対話の相手(全員)に視線を向いて「はい」発話をする用例である。


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4、おわりに(6/9)


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4、おわりに(7/9)

  • JFL学習者:

  • 日本語体系(語彙や文法)を習得しているが、どういう時に、どう発話をするのかなどの言語行動やどんな非言語行動を適切に使うかなどを理解し、使用するかなどのことは容易ではない

  • 画像(動画)を提示することにより、非言語情報(身振り、頭の動きなど)をテキスト(言語情報)と同時に利用することができ、会話の状況、話者の特徴、周囲の雰囲気などを自然に習得することが可能になると思われる。


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4、おわりに(8/9)

  • eラーニング教材はいつでもどこでも学習可能というユビキタス的長所をもっているが、学習者が適切に利用しないと、その利点をいかすことはできない。

  • 日本語教師には、第二言語習得研究からの知見をもとに、eラーニング教材活用の有効な指導法を考案することは今後の課題になろう。


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4、おわりに」(9/9)

  • 「視線」と「うなずき」を中心としてみてきたが、コミュニケーションを行う際に、言葉でうまく表現できない情報について、手振りや表情などを補完的に用いて表現し、最終的に目標にたどり着くことも観察される。

  • 日本語教育においては、このような非言語行動に関する研究がまだ十分ではないように思われ、今後さらに検討をすすめていく必要があろう。


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参考文献

  • 鮎澤孝子(1988)「「話しことば」の特徴―聴解指導のために」『日本語教育』第64号、1-12

  • 池田伸子(2003)『CALL導入と開発と実践―日本語教育でのコンピュータの活用―』くろしお

  • 石井恵理子(1997)「教室談話の複数の文脈」『日本語学』第16巻第3号、明治書院、22-28

  • 石田敏子(1966)「日本語教育における語学ラボラトリーの使用法に関する考察―国際基督教大学日本語科における使用報告」『日本語教育』9号、日本語教育学会、24-46

  • 大浜るい子(2004)「日本語の自然会話における真偽疑問文と応答詞「はい」の関係について」『日本語教育』第123号、37-45

  • 奥津敬一郎(1989)「応答詞「はい」と「いいえ」の機能」『日本語学』第8号、明治書院、4-14

  • 川田拓也(2008)「ポスター会話におけるフィラーと視線の同期について」『京都大学言語学研究』27、151-168。

  • 北尾謙治(1992)「CAIの英語教材の選択と作成」枝澤康代、北尾謙治、佐伯林規江、吉田晴世、石原堅司、三根浩、山内信幸、吉田信介『はじめてのCAI―よりよい英語教育を求めてー』山口書店、115-136

  • 北川千里(1977)「「はい」と「ええ」」『日本語教育』第33号、65-72

  • 窪田行則、金水敏(1998)「応答詞、感動詞の談話的機能」『文法と音声』音声文法研究会、くろしお出版、257-279

  • 小島聡子(2002)『日本語の教え方』アルク

  • 佐藤綾子(2005)『非言語的パフォーマンスー人間関係をつくる表情·しぐさ』東信堂

  • 佐藤美重子(1989)「技術研修員のための日本語研修30時間コースへの非言語伝達導入の試み」『日本語教育』第67号、87-98

  • 佐藤方哉(1987)「行動分析―徹底的行動主義とオベラント条件付け」安田生命社会事業団(編)『精神衛生専門講座―臨床心理学の基礎知識』安田生命社会事業団、147-192

  • ザトラウスキー∙ポリー(2001)「相互作用における非言語行動と日本語教育」『日本語教育』第10号、7-21

  • 田窪行則・金水敏(1997)「応答詞・感動詞の談話的機能」, 音声文法研究会(編)『文法と音声』、 257-279、 くろしお

  • 高見澤孟監修、高見澤孟、ハント蔭山裕子、池田悠子、伊藤博文、宇佐美まゆみ、西川寿美(2009)『新∙はじめての日本語教育1―日本語教育の基礎知識』アスク

  • 竹内理(2004)「メディアの利用と第二言語習得」小池生夫(主幹)『第二言語習得研究の現在-これからの外国語教育への視点』大修館


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参考文献

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  • 中道真木男、土井真美(1995)「日本語教育における非言語行動の扱い」『日本語学』第14 巻3月号、明治書院、55-58

  • 日本語記述文法研究会編著、代表仁田義雄(2003)『現代日本語文法4』くろしお

  • 西原鈴子(1995)「異文化接触における非言語行動」『日本語学』第14 巻3月号、明治書院、11-23

  • 福岡昌子(2004)「音声と非言語的情報を結びつけた聴解指導に関する基礎研究」『三重大学留学生センター紀要6』41-51

  • 水谷修(1989)「日本語教育と非言語伝達」『日本語教育』第67号、1-10

  • メイナード・泉子・K. (2005)『談話表現ハンドブック』くろしお

  • 宮島達夫、仁田義雄(1996)『日本語類義表現の文法(上)』くろしお

  • 山元一晃(2008)「教室談話における教師の「ハイ」の機能―話題の完成という観点からー」『筑波応用言語学研究』15、127-138

  • 葉淑華(1996)『視聴覚的方法による教授法』國立中興大學文史學報第26期、175-194

  • J.V.ネウストプニー(1989)「日本人のコミュニケーション行動と日本語教育」『日本語教育』第67号、11-24

  • Mehrabian,Albert(1968)'Communication Without Words', Psychology Today 2(4),53-55


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