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風水害と対策

風水害と対策. 寺尾 徹(香川大学教育学部). 今日のお話. 「第 18 講: 風水 害と対策」に 対応. 日本の気候と国土の特徴と風水害 災害をもたらす大気現象 台風による災害の特徴 豪雪 と高層天気図 発達した積乱雲群がもたらす災害の特徴 異常気象をもたらす熱帯の海の変動 地球温暖化とその影響 水防活動. http://rfweb.ed.kagawa-u.ac.jp/disaster/ にプレゼンを置きました。. Section 1. 日本の国土の特徴と 風水害. 風土の特徴と風水害. 豪雨と被害の分布が物語るもの

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Presentation Transcript


  1. 風水害と対策 寺尾 徹(香川大学教育学部)

  2. 今日のお話 「第18講:風水害と対策」に対応 • 日本の気候と国土の特徴と風水害 • 災害をもたらす大気現象 • 台風による災害の特徴 • 豪雪と高層天気図 • 発達した積乱雲群がもたらす災害の特徴 • 異常気象をもたらす熱帯の海の変動 • 地球温暖化とその影響 • 水防活動 http://rfweb.ed.kagawa-u.ac.jp/disaster/ にプレゼンを置きました。

  3. Section 1 日本の国土の特徴と風水害

  4. 風土の特徴と風水害 • 豪雨と被害の分布が物語るもの • 地域の特徴を押さえた災害理解と対策 • 季節のサイクルと災害 • 早明浦ダムに見る季節性

  5. 過去30年間の50mm/hを超える強雨の回数 佐々(2010) 最高回数は繁藤の55回

  6. 降水量と災害 • 災害は降水強度だけで決まるものではない • 降水量の大小と水害被害の多さとは直接対応しない • 例:山陽・四国地方各県の床下浸水 • 1962-2005年

  7. 災害事例:2004年台風23号 • 最も多くの犠牲者を出したのはどの県か? • 降水量上位5位は、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県 台風0423による降水量

  8. 高松市の主な渇水事例 • それでも多い渇水事例 • 香川用水の利用開始(1974年)以降も起こっている • 最近増加している? 高松砂漠 列島渇水 『日本の水資源 平成21年版』, 国土交通省水資源部, 2009

  9. 渇水と降水量・ダムの貯水量 • 5月下旬以降深刻化する渇水 • 農業用水への利用が6月以降増加するため • 香川用水もその一部 • 6月以降の降水量の変動に着目 『日本の水資源 平成21年版』, 国土交通省水資源部, 2009

  10. 香川用水の利用の季節変化 「香川用水のあらまし」水資源気候香川用水総合事業所パンフレットより

  11. 地域の特徴をとらえた対策を • 日本の特徴:大きな地域差・季節差 • 南北に伸びた細長い国土 • はっきりとした四季を持つ • 河川の流量格差が大きい • 降水量や風速だけで決まらない被害 • それぞれの地域の特性に依存する • 地域の特徴に強く関連する風水害 • 都市型水害 • 局地的な気象現象に起因する風水害 • 地域の特徴をとらえた対策を • 地域社会の特徴をとらえた対策が求められる • 地域の経験に学ぶことが大切

  12. Section 2 災害をもたらす大気現象

  13. 台風と熱帯低気圧 • 台風の特徴と防災上注意すべき点について • バングラデシュの事例から • 高潮被害の理解 • 被害と対策の関係について考える • 台風による風と雨の特徴

  14. 台風と熱帯低気圧の定義 • 低気圧には2種類 • 温帯低気圧 • 熱帯低気圧熱帯や亜熱帯の海洋上で発生 • 台風と熱帯低気圧 • 西部北太平洋に発生する熱帯低気圧 • 最大風速17m/s以上 熱帯低気圧の経路を重ねて表示したもの 一般気象学第2版

  15. 水蒸気の隠し持つエネルギー • 水は熱すると蒸発して水蒸気になる→ • 水蒸気はエネルギーを隠し持って移動 • 水に戻るとき隠しエネルギーを放出→ • 周りの空気を暖める 潜熱

  16. 台風の構造とエネルギー源 • 暖かい海面が重要 • 海が温かいと急速に発達 • 陸地では衰弱 暖かい空気 潜熱 低い気圧・強い風

  17. 風速と台風 • 台風の風・強風域・暴風域 • 北半球では反時計回り • 台風の強さ • 中心付近の最大風速 • 暴風域平均風速25m/s以上 • 強風域平均風速15m/s以上 気象庁HPより

  18. 台風の進路と風 • 台風を流す大規模な風 • 貿易風(熱帯) • 太平洋高気圧縁辺の南風 • 偏西風 • 台風の進路と速度 • はじめ西へ進む • 太平洋高気圧の縁を北へ • 偏西風に流される • →加速、時に温帯低気圧化 • 真夏の「迷走台風」

  19. 台風に伴う風の特性 中心通過後の吹き返し • 中心に近いほど風が強い • 中心付近には風の弱い領域(眼)がある • 右半円(東側)で強い傾向がある 「危険半円」 理由は後で

  20. 風と風速 • 風速とは何か • 風の強さ=空気の移動速度 • 平均風速前10分間の平均値 • 最大瞬間風速 1秒間ごとの値、その最大値 • 平均風速25m/sの世界 • 25m/sとは、1秒間に空気が25m進むこと • 時速90kmの自動車の屋根に乗っているのとほぼ同じ力を受ける • 最大瞬間風速は平均風速の1.5~3倍! • 外出は控えよう

  21. インド洋のサイクロン • サイクロンとは • 熱帯低気圧のうち、北インド洋などで発生し、基準まで発達したものをサイクロンと呼ぶ • 台風やハリケーンのなかま Hayashi (2008)

  22. バングラデシュのサイクロン被害 • 甚大な被害 • 最大の原因は高潮災害 寺尾 (2008) 桂ら (1992)

  23. 海岸線を襲った高潮 • 高潮高の推定計算結果(Chittagong) • 5mの高潮 • 満潮時と重なる 桂ら (1992)

  24. サイクロンの経路と湾の形状 • Kutubdia • 高潮高 3.8m • Hatia • 高潮高 4.7m Hatia Kutubdia 湾とサイクロンの位置関係に着目 桂ら (1992)

  25. 高潮と吹き寄せ効果 • 台風の右側は危険半円 • 風の合成の効果 • 台風の反時計回りの風 • +台風を流す風 • 吹き寄せ効果 • 湾と台風の進路

  26. 高潮と吸い上げ効果 • 熱帯低気圧は中心気圧が低く、海面が上昇する • 1hPaの気圧低下につき約1cmの割合 • 吸い上げ効果 桂ら (1992)

  27. 波と高潮の違い • 波 • 高潮

  28. 参考:伊勢湾台風のコース • 伊勢湾台風の強さとコース、地形の特徴から、名古屋付近における高潮被害が激甚化した。 • 危険半円 • 吸い上げ効果 宮澤(1999)

  29. サイクロンの経路と高潮被害 • Kutubdia • 高潮高 3.8m • 死亡率 18.9% • 19,133/101,118 • Hatia • 高潮高 4.7m • 死亡率 1.0% • 2,956/300,819 • 参考:名古屋市南区(伊勢湾台風) • 死亡率 1.0% • 1,417/146,500 Hatia Kutubdia まさに危険半円 桂ら (1992)

  30. 高潮高と死亡率の関係 • 自然的要因だけに解消されない被害状況の違い • 高潮の規模とリスクの関係 • 地域による大きな差異 • 何がこの違いを作ったか • 災害拡大の要因は? 桂ら (1992)

  31. サイクロンシェルター • Kutubdia • 前回の高潮被害が1897年 • 重点建設地域ではなかった • Hatia • 12基のシェルター完成 • 対策の意義は明白

  32. 気象学と防災体制 • サイクロンの襲来は予測していた(桂ら, 1992) • インドの人工衛星からの雲画像は得られなかったが、日本や米国の雲画像は入手していて、サイクロンが迫っていることは認識していた。 • 海岸沿いのレーダーシステムは稼働していて、データがダッカに転送できない問題はありつつも、サイクロンの襲来は認識していた。 • 気象観測の成果を生かす防災体制 • 原因はむしろ社会の防災体制にあった • シェルターの問題・情報伝達の問題

  33. 再び襲来したサイクロン • サイクロンSidrの襲来(2007.11) • 4000人以上の犠牲者・・・だが、

  34. 伊勢湾台風とサイクロン • バングラデシュの被害を日本の台風被害のグラフに重ねる 「バングラデシュもようやく伊勢湾台風並みになったな」 南アジア気象の研究者の言葉 桂ら (1992)

  35. 対策の効果 • サイクロンシェルターは人命救助に役立っている

  36. 台風に伴う被害 • 台風と風 • 中心付近の風による被害 • 周辺に竜巻が発生することもある • 台風と雨 • 強い雨をもたらす積乱雲の集団 • 前線を刺激して豪雨を降らす場合もある • 斜面に吹き付ける強風と持続的な大雨 • 高潮被害 • 台風被害の要因のひとつ

  37. 豪雪災害 • 豪雪の目安:上空約5500mの気温 • 太平洋側の大雪と南岸低気圧

  38. 発達した積乱雲による災害 • 集中豪雨 • ゲリラ豪雨と都市化 • 竜巻とダウンバースト

  39. 1982年長崎豪雨:299名の犠牲者 • 長崎市に集中した豪雨 • 長崎の7月23日の日降水量: 448mm • 20:00-23:00まで1時間降水量100mm前後が継続 「お天気の科学」小倉義光 より

  40. 集中豪雨の水はどこから? • 積乱雲がもたらした水の源は? • 上空の空気はどれくらいの雨を隠し持つ? • 積乱雲の「自己組織化」

  41. 長崎豪雨がもたらした水の量 • 448mmの雨とはどういう量か • 屋根を外すと教室に深さ448mmの水が貯まる 目に見えない上空の水蒸気が 雲になって 雨になって落ちてきて 貯まったもの

  42. 上空の空気に含まれる水蒸気 • この教室の上に隠された水蒸気量は? • 教室の広さ100m2 • 全大気に含まれる水蒸気を水に戻すと スプーン20杯 ジョッキ20杯 ドラム缶20杯

  43. 上空の水蒸気量(可降水量) • この教室(100m2)上空には4m3もの水!! • 4m3といえば • ドラム缶約20本分 • 上空の空気は、この教室にドラム缶20本分の雨を降らせることができる

  44. 上空の水蒸気量(可降水量) • この教室(100m2)上空には4m3もの水!! • でも教室にまいても深さ40mm(4cm)程度 • 長崎豪雨のときは、上空にある水蒸気量の11倍もの雨が降ったことになる。 • なぜ? どうやって?

  45. ヒントとなる事例 • 1983年浜田豪雨 • 西から豪雨域 • 次々と浜田を襲う • A~Hまで8つの雲

  46. 長崎豪雨の降水量 • 448mmの雨とはどういう量か • 屋根を外すと教室に深さ448mmの水が貯まる 目に見えない上空の水蒸気が 雲になって 雨になって落ちてきて 貯まったもの

  47. 積乱雲の自己組織化 • 単一の積乱雲の寿命はせいぜい数十分 • ある条件下で多くの積乱雲が連鎖的に発達して一カ所を集中して襲うとき、集中豪雨が発生する 軽 軽 軽 「雷雨とメソ気象」大野久雄 より

  48. 集中豪雨の起こるわけ • 積乱雲の連鎖的な発生と発達 • 全体としての空気の移動 親 子 孫

  49. 集中豪雨のメカニズム • 広い範囲の空気の中の水蒸気が狭い範囲に集中して雨となって降る 豪雨域

  50. 集中豪雨のメカニズム • 広い範囲の空気の中の水蒸気が狭い範囲に集中して雨となって降る 豪雨域

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