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「知能」を人工的に作る とはどういうことか

「知能」を人工的に作る とはどういうことか. 三浦 欽也 (神戸女学院大学) 2009 年 7 月 5 日 (大人たちの科学サロン). 「人造人間」の系譜. 神話 ゴーレム (ユダヤ伝承) タロス (ギリシャ神話) ピグマリオン (ギリシャ神話) ホムンクルス (パラケルスス) 神秘的な力で動くもの. 「人造人間」の系譜. 機械技術の発達 → 機械仕掛けの「人造人間」 からくり人形 (欧州・日本) 文字や絵を描く 楽器を演奏する 弓を射る チェスを指す. 「人造人間」の系譜. フィクション: 「ホフマン物語」

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「知能」を人工的に作る とはどういうことか

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Presentation Transcript


  1. 「知能」を人工的に作るとはどういうことか 三浦 欽也(神戸女学院大学) 2009年7月5日 (大人たちの科学サロン)

  2. 「人造人間」の系譜 • 神話 • ゴーレム (ユダヤ伝承) • タロス (ギリシャ神話) • ピグマリオン (ギリシャ神話) • ホムンクルス (パラケルスス) 神秘的な力で動くもの 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  3. 「人造人間」の系譜 機械技術の発達 → 機械仕掛けの「人造人間」 • からくり人形 (欧州・日本) • 文字や絵を描く • 楽器を演奏する • 弓を射る • チェスを指す 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  4. 「人造人間」の系譜 • フィクション: • 「ホフマン物語」 • 「R.U.R.」 (カレル・チャペック) • 「メトロポリス」 (フリッツ・ラング) 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  5. 「人造人間」の系譜 コンピュータの発達 → 電気仕掛けの「人造人間」 • フィクション • 「われはロボット」 (アイザック・アシモフ) • 「鉄腕アトム」 (手塚治虫) • 「ドラえもん」 (藤子不二雄) 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  6. 「人造人間」の系譜 • 「知能」ロボット • ASIMO (ホンダ) • AIBO / QURIO (ソニー) 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  7. 「人造人間」の系譜 • 「人間みたいに振舞う機械を作りたい」という夢の系譜 • 「人間みたい」とは? • 人間にしかできないことをする? • あやつり人形 ⇔ 自律ロボット タネ明かしをするとがっかり? 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  8. 人工知能研究の萌芽 • 記号論理学(数学基礎論)の発達(19~20c) → 推論≒計算 → 計算機の理論 • コンピュータの発明(1940年代) ヒトにしかできない(はず)の「計算」を猛スピードで間違いなく実行できる. とんでもなく「頭がいい」に違いない? 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  9. 人工知能研究の萌芽 • ダートマス会議 (1956) • 推論も計算も情報処理であるなら,情報処理機械であるコンピュータは推論もできるはず. • 学習・言語の使用・抽象化と概念の形成などもコンピュータで模倣できるはず. • チャーチ=チューリングのテーゼ • コンピュータの計算能力の普遍性 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  10. 入力 情報処理 出力 人工知能の古典的な考え方 • 知能を情報処理過程としてモデル化する • 情報処理の本質は抽象的(記号的)なモデルである → 「(物理的)実現」とは独立 → チャーチ=チューリングのテーゼ(提唱) 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  11. 人工知能研究の広がり • パズルを解く・ゲームをする・定理を証明する → しらみつぶし・力ずくの解法が主流 効率的な方法は一般化困難 • エキスパート(専門家)システム → 専門家の知識の明確な記述は困難 • 言語をあやつるシステム → 意外に難しい.辞書と文法書だけでは うまくいかない 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  12. 結局 … • 実現したことは限定的. • 普通のヒトが普通にしていることが,実は難しい. • やっぱり「タネ明かしをするとがっかり」? どんなものを作ったら「知能」と呼べるだろうか 「知能」とはいったいなんだろうか 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  13. 「知能」とは何か (古典的な見方) • 知的な活動の能力 知的な活動 … 問題解決・推論・学習 etc. = 情報処理能力 抽象化・一般化の能力 学習の能力 (現象的・情報処理的・内的指向(思考中心)的見方) 本当にそうだろうか? 閉鎖系的視点 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  14. 「知能」とは何か (古典的な見方) • 「知的な活動」を部分的であれ実現しても「知能」を作ったようには感じない. • 中身(タネ)を知らない人は驚くかもしれないけど … • 中身を知っている者にはただの機械仕掛けに見える. • 追いかけても逃げてしまう蜃気楼のような… 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  15. チューリングテスト 筆談で相手が人間と区別できなければ「知能」があると言ってよい? 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  16. チューリングテスト • イライザ (Eliza) • 相手の話からキーワードを拾い上げて質問したり,相手の文章を少し変更してオウム返ししたりする. • 子供だましの単純な仕掛けだが,結構だまされる. やっぱり「タネ明かしをするとがっかり」? 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  17. チューリングテスト • いずれは,ヒトの「タネ」(思考のメカニズム)もバレてしまうのだろうか? • タネがバレなければ 「知能がある」 と言ってもいい? • 「知能がある」 ということと 「知能があるようにみえる」 ということに本質的な差はあるのだろうか? 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  18. 「知能」とは何か (ECSの見方) • ECS = 身体性認知科学 • 環境に適応する能力 = 環境・状況に応じて「適切」に振舞う能力   「行動主義」的考え方? (目的指向的・進化論的・外的指向(行動中心)的見方) 開放系的視点 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  19. 「知能」とは何か • 知的な活動の能力? (古典的な見方) → 普遍的な知? - 幻想なのかも • 環境に適応する能力? (ECSの見方) → 必ずしも普遍的ではない (∵ いかなる生物も適応可能な環境(生態学 的ニッチ)は限定されている) 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  20. 「知能」とは何か • そもそも知「能」は「ある」のか? → あるのは知的な「振る舞い」だけなのでは? (「振る舞い」の背後に「能」を見るのは  観測者だけ?) • 「ある」とすれば,「身体」と「環境」の相互作用の内にあるのではないか? → 複雑な「環境」が複雑な振る舞いを 「創発」する? 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

  21. 「知能」とは何か • 「知能」は単純に「ある」とか「持つ」とか「作る」とか言えるような普遍的な実体を持ったものではなかったのかも. • むしろ「現象」と捉えるほうが自然なのかも. 「知能」を人工的に作るとはどういうことか

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