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医療バッシングの盛衰と 杏林大割り箸事件

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医療バッシングの盛衰と 杏林大割り箸事件. 熊本回生会病院脳神経外科 川嵜 真. 川嵜 真 略歴. 1968 年生まれ 1996 年長崎大医学部卒 同年長崎大脳神経外科入局 2001 年長崎大脳神経外科助手 2004 年脳神経外科専門医取得 2007 年熊本回生会病院入職 脳卒中・嚥下リハビリテーションを担当. 医療バッシングの心理的背景. 200 0~ 2004 年がピーク マスコミによる扇情的医療事故報道 それに押される形での刑事責任追及. デフレ下の大衆心理.

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Presentation Transcript
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医療バッシングの盛衰と杏林大割り箸事件

熊本回生会病院脳神経外科

川嵜 真

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川嵜 真 略歴
  • 1968年生まれ
  • 1996年長崎大医学部卒
  • 同年長崎大脳神経外科入局
  • 2001年長崎大脳神経外科助手
  • 2004年脳神経外科専門医取得
  • 2007年熊本回生会病院入職
  • 脳卒中・嚥下リハビリテーションを担当
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医療バッシングの心理的背景
  • 2000~2004年がピーク
  • マスコミによる扇情的医療事故報道
  • それに押される形での刑事責任追及
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デフレ下の大衆心理
  • こうした状況で、大衆は「特定の個人に非難を集中する」ことに喜びを見出す(略)失敗の原因をつくった責任者や、スケープゴートにされた人物を制裁しろという声が自然に沸き起こるものなのである。

ヨゼフ・アロイス・シュムペーター、1934年

経済学者・社会学者

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医療バッシング時代
  • 1999年横市大患者取違え事件
  • 1999年都立広尾病院誤投与事件
  • 1999年杏林大割りばし事件
  • 2001年東京女子医大心臓外科事件
  • 2002年慈恵医大青戸病院泌尿器科事
  • 2004年福島県立大野病院産科事件
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医療関連判決 1905~1975

民事

刑事

松倉豊治著 「医事紛争」p.9 永井書店

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医事紛争増加の要因 赤石英:1967
  • 1 権利意識の向上
  • 2 医師と患者の人間関係の疎遠
  • 3 医学知識の普及
  • 4 患者増加による診療の機械化
  • 5 安全性の不十分な医薬品
  • 6 薬剤の乱用
  • 7 弁護士や報道関係者の関心
  • 8 医師・看護婦の態度の問題
  • 9 法律・規制・通達に対する医師の無関心
  • 10 同僚医師の非好意的発言
  • 11 医師・医学生・看護婦・看学生の勉強不足
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杏林大割りばし事件
  • 1999年7月11日 事件発生
  • 2000年7月上旬 書類送検

 民事訴訟提訴 約8400万賠償請求

  • 2002年7月上旬 起訴

 ネット上で活発な議論⇒支援の会結成

  • 2002年11月28日初公判
  • 2006年3月28日 一審無罪判決
  • 2008年11月20日 二審無罪判決→確定
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割り箸事件の特徴
  • 非常に稀な受傷機序
  • 複数の専門領域に及ぶ病態
  • 判断における過失の有無
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事件発生から起訴までの月数
  • 1999年横市大患者取違え事件(14)
  • 1999年都立広尾病院誤投与事件(16)
  • 1999年杏林大割りばし事件(36)
  • 2001年東京女子医大心臓外科事件(15)
  • 2002年慈恵医大青戸病院事件(10)
  • 2004年福島県立大野病院産科事件(15)
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過失の構成要件
  • 予見可能性≒診察・診断
  • 結果回避可能性≒病態機序・救命可能性
  • 医療水準
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事件の経緯
  • 1999年7月11日(土)18時ごろ転倒受傷
  • 受傷時点で同伴者なし目撃情報なし
  • 救急車で搬送 搬送記録には「意識清明」
  • 搬送中と前後に嘔吐あり 出血は微量
  • 元気はないが開眼・開口など指示に従う
  • 創部に外用剤を塗付して帰宅、翌朝死亡
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注意義務に関する争点
  • 受診時の意識状態
  • 救急隊:JCS:0 看護婦:1 被告人医師:2
  • 嘔吐をどう評価するか
  • 判断基準となる文献
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判断基準となる文献
  • 検察側 

咽頭部血管の重要性を指摘する論文

  • 弁護側 

米国の約40例のシリーズ検討

「今日の耳鼻科診断指針」

→口腔咽頭刺傷は止血を確認すれば帰宅可能

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死因

 検察側 

 後頭蓋窩急性硬膜下出血による脳ヘルニア

 ⇒開頭血腫除去にて90%以上救命可能

弁護側

 左S状静脈洞血栓⇒静脈還流障害⇒脳浮腫

 ⇒外科的再建は不可能

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検察側証人:救命可能説

水谷 徹 

都立府中病院脳神経外科部長       昭和大学客員教授(現教授)

橋本信夫

京都大学脳神経外科教授

第65回日本脳神経外科学会会長

(現 国立循環器病研究センター理事長)

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弁護側証人:救命不可能説
  • 有賀 徹 昭和大救急科教授 

第29回日本神経外傷学会会長

  • 堤 晴彦 埼玉医大副学長 

救急科教授 

埼玉医大救急センター主幹

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司法解剖所見
  • 割り箸遺残7.6cm
  • 頸静脈孔から後頭蓋窩内出血 24ml
  • 高度の脳浮腫 ←最重要証拠
  • 脳重量1510g(標準:1200~1300)脳ヘルニアなし
  • 救命可能性は約50%
  • 診察は不適切であったと結論
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骨折なき穿通性脳損傷

頸静脈孔

頸静脈孔

口腔から頸静脈孔を経て

小脳半球に達する

図の方向にほぼ限定される。

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司法解剖鑑定書

血栓形成の位置

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検察の主張の変遷
  • 初期:斉藤病院長(脳外科医)に対して

 「どうして脳重量が1500gもあるのか!?」と追求

  • 脳浮腫が救命可能説と矛盾することが判明

 ↓

  • 「4歳児の脳は1500g程度が標準」と

 するカナダの文献を証拠提出

堤証人「その論文のタイトルに 『身長と脳重量の相関』と書いてある。カナダ人の子供が大きいだけだ。論文のタイトルも読んでいないのか!」

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法医学者の問題
  • 静脈洞内血栓の範囲が不明→出廷して最小の範囲を示す
  • 鑑定書「咽頭部を切開してから開頭」→写真のネガの順番と異なる
  • 鑑定書「脳室内に髄液の付着」→ホルマリン漬け標本の写真はスライスされていない!→脳標本を紛失!
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一審判決の概略
  • 予見可能性(診断):

 検察側の主張を全面的に認める

  • 救命可能性:弁護側の主張を認める

 (根拠は司法解剖鑑定書の脳浮腫)

  • 「過失」が有ったと認定
  • 「急変後にカルテを書き加えた」と認定
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判決の蛇足

「急変後にカルテを書き加えた」と認定

検察側の主張なし 実行段階の検証なし

カルテの所在・方法・時期・同期の特定なし

被告人への質問されていない

「改ざん」という言葉は判決文にはない

無罪判決なので被告人は控訴・反論できない

井上薫 元判事

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一審判決の特徴
  • 高度な医療水準要求

  ⇒最高裁判例(民事を踏襲)

  • 結果回避可能性を否定⇒脳浮腫が根拠
  • 弁護側の主張をほぼ全て却下

 ⇒それでも無罪

 ⇒逆説的に被告人を保護?検察封じ?

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一審判決文結語
  •  本件で隼三ちゃんが遺(のこ)したものは「医師には眼前の患者が発するサインを見逃さないことをはじめとして、真実の病態を発見する上で必要な情報の取得に努め、専門性にとらわれることなく、患者に適切な治療を受ける機会を提供することが求められている」というごく基本的なことだ。

 ↑医師の専門性を否定

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判例における医療水準
  • 場当たり的
  • 事後的
  • ほとんどが民事
  • 古川俊治 著

外科医・弁護士・

参議院議員

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医療注意義務の最高裁判例
  • 医師の専門分野,
  • 医療機関の性格,
  • 所在地域の医療環境の特性
  • 等の諸般の事情を考慮して決せられるべき
  • 現状あるいは医療慣行を追認する結果は,厳に避けられなければならない。
  • 事件番号:平成4(オ)251  裁判年月日:平成8年01月23日
  • 最高裁判所第三小法廷  判例集巻・号・頁:第50巻1号1頁
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医療水準
  • 刑事・民事・行政処分で同一であるべきか?
  • 医療の進歩・社会環境の変化で変遷する
  • 刑事において事後的に規定することは罪刑法定主義に反する
  • 事前に基準を明示しないと医療者は自己の医療行為の違法性を認識できません
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本件に求められる医療水準
  • 医師の専門分野 →3年目耳鼻科専攻医
  • 医療機関の性格,→救命救急センター
  • 所在地域の医療環境の特性
  • →時間外耳鼻科疾患患者が集中
  • 前例ない稀な受傷機序 乏しい情報
  • 軽症意識障害評価の難しさ
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二審の展開
  • 検察が司法解剖鑑定書所見を否定
  • 「脳ヘルニアはあった」と検察が主張

→「組織標本が見つかった!」と提出・鑑定

→鑑定半年待ち

→組織学的にも脳の鬱血を確認

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二審判決の概略
  • 予見可能性(診断):

 弁護側の主張を認める

  • 救命可能性:弁護側の主張を認める
  • 「注意義務違反無し」と認定
  • カルテ記載関連に言及無し 
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医療裁判の問題点
  • 結果重視⇒Retorospective Biass
  • 証人医師の不足(熱意・客観性・説得力)
  • Cross Talk Discussion が無い非効率
  • 論点が複雑な場合特に長期化
retorospective biass
Retorospective Biass
  • 文系・演繹的
  • 前提に反する結果が有る場合、矛盾を解消するロジックを模索する
  • 理系・帰納的
  • 予想に反する結果→仮定を再検討
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証人医師の不足
  • 民事原告では特定の医師に依頼が集中
  • 探すのも容易ではない
  • 協力医の負担が大きい
  • 大学・学会が協力
  • コスト面の問題も大きい
cross talk discussion
Cross Talk Discussion が無い非効率
  • 1つの論点に原告・被告が医師を擁立
  • (本件では各々が複数)
  • 各証人に主尋問・反対尋問
  • 検事が使い走り
  • インターバル一ヵ月→長期化
  • 刑事でもカンファレンス鑑定の導入を!
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論点が複雑な場合特に長期化
  • 論点が複雑すぎる場合、公判前整理は困難
  • 長期化したからこそ堤証人が登場できた、という面もある。公判前整理制度下で本件に無罪判決が下ったかは疑問の余地がある。
  • 被告人側にジャンケンの後出し的利あり
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本件におけるエラー
  • 割り箸付きのわたあめ
  • くわえたままの状態で子供から離れた
  • 割り箸が行方不明
  • 受傷直後の情報伝達できず
  • 電話連絡情報によるトリアージ(振り分け)
  • 経験の浅い医師単独当直
  • 少なすぎる問診
  • 不得手な画像診断に対する抵抗感?
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割り箸事件が何を残したか
  • 検察は医療に対して謙抑的
  • 縁日や祭りのわたあめ屋が袋入りに
  • 救急での小児画像診断の増加
  • 杏林大病院時間外外来は救急医が初診して

 トリアージ(各科へ振り分け)

2008 8 29
2008年8月29日保岡法務大臣談話

「医療事故の真相究明については、

第三者機関が専門的な判断を下すようにし、

刑事訴追は謙抑的に対応するべきだ。」

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医療を適正化する努力
  • 医療を外部からチェックすることは難しい

 外部の介入を拒むなら矜持をもって対処すべき

 現状は非常に不足している

  • 医療従事者からみた「けしからん医療行為」の観点が違う。非標準的医療は低リスクのものも多い。
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職能団体の自律性
  • 医師会・学会ともに任意加入
  • 調査・懲罰の権限なし
  • 自分を高める努力は旺盛
  • 問題ある医療への助言・教育は消極的
  • 横浜市医師会の助言モデル事業
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裁判所・法務大臣へお願い
  • 今の時代 平日昼に日参 写真録音禁止の状態は 「公開」と呼ぶに値しない
  • 事件番号の明示を要するなど、裁判資料の閲覧に非協力的システム。地域差あり
  • 国民を真実に近づける努力、ネット時代に対応した公開性を強く希望します
  • 久々の重量級法務大臣就任おめでとうございます
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