560 likes | 1.1k Views
感染症と予防策. 中北薬品 白浜営業所. 内容. 感染症の発生要因 感染対策の基本 予防策 主な感染症 手洗い、咳エチケットについて 消毒剤と器具、環境の処理について 嘔吐物処理方法 まとめ. 感染症の発生要因. 原因菌の存在. 生体の 感染しやすい部位 の存在. 感染症を 発生させるのに 十分な菌量. 感染経路の成立. 感染対策の基本. 空気予防策. 飛沫予防策. 接触予防策. 標準予防策. 標準予防策. 患者から出る汗を除く全ての湿性生体物質は感染源であると取り扱う予防策。 全ての医療現場で常に行われるべき対応。
E N D
感染症と予防策 中北薬品 白浜営業所
内容 • 感染症の発生要因 • 感染対策の基本 • 予防策 • 主な感染症 • 手洗い、咳エチケットについて • 消毒剤と器具、環境の処理について • 嘔吐物処理方法 • まとめ
感染症の発生要因 原因菌の存在 生体の 感染しやすい部位 の存在 感染症を 発生させるのに 十分な菌量 感染経路の成立
感染対策の基本 空気予防策 飛沫予防策 接触予防策 標準予防策
標準予防策 • 患者から出る汗を除く全ての湿性生体物質は感染源であると取り扱う予防策。 • 全ての医療現場で常に行われるべき対応。 湿性生体物質・・・血液、尿、便、 鼻汁、唾液 等
空気予防策 • 空気中の感染源を吸引することで感染する感染症の予防策。 ⇒個室管理、換気、N95マスク着用
飛沫予防策 • 飛沫核を吸引することで感染する感染症の予防法 ⇒サージカルマスク着用、咳エチケットの慣行 等
接触予防策 • 患者との直接接触や周辺の物品、環境表面を経由する感染の予防策。 ⇒手袋の着用、ガウンの着用、消毒液による手指消毒 等
飛沫感染と空気感染の違い 微生物を含む飛沫核 水分 水分は蒸発 1mか2mですぐ落下 長期間空気中を浮遊
代表的な感染症 • おたふく(ムンプス) • 結核 • MRSA • 風しん • 麻疹、はしか • RSウイルス • インフルエンザ • ノロウイルス • 腸管出血性大腸菌感染症(O-157) 等
おたふく(ムンプス) • 4~5歳の小児に多いが、成人でも発病することがある。 • ムンプスウイルスは潜伏期から唾液に含まれ飛沫により伝播する。 • 流行性耳下腺炎ウイルスとも呼ばれ、全身の腺組織で増殖する。 • 10%程度の頻度で無菌性髄膜炎となるが、そのほとんどは自然治癒により軽快する。ただし流産、早産、不妊、難聴、脳炎に至ることもある。
おたふく(ムンプス)対策 • 標準予防策+飛沫予防策 • ワクチンの接種 • 免疫のない医療従事者は原則として感染症例を担当しないようにする。 • 手洗いの遵守 • 物品の清拭消毒 • 地域の流行の把握
結核 • 活動性結核患者の呼気から発散される飛沫核に含まれ、長時間室内空気中に浮遊してヒトに伝播する。 • 肺胞に達して感染する。 • 症状が風邪によく似ている(咳が長く続く)。 • 日本は他の先進国に比べ、罹患率が高め。 • 近年、多剤耐性結核菌が問題となっている。
結核対策 • 標準予防策+空気予防策 • 結核を疑った時点で空気予防策の実施 • 接触者の洗い出し • 個室管理 • N95マスク着用 • ノンクリティカル器具や環境表面を介した伝播は報告がないため喀痰などによる特別な汚染がなければ、通常の洗浄・清拭・消毒を行えばよい。
MRSA • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 • 人や環境に常在しており、健康な人にとっては問題にならない弱毒性であるが、免疫力が弱い状態であると感染症を引き起こす場合がある。 • 皮膚、粘膜などで化膿性感染症を起こしたり、食中毒を引き起こす。
MRSA対策 • 標準予防策+接触予防策 • 易感染患者では鼻腔、咽頭などに保菌する黄色ブドウ球菌により内因性感染することが多い。 • 医療従事者の手指や医療機器を介した接触感染があるので、必要に応じて接触予防策を追加。 • 手洗いの遵守 • 物品の清拭消毒 • 咳エチケット • 地域の流行の把握
風しん • 風しんは数年ごとに流行し、学童から思春期に多い。 • 風しんウイルスは経気道感染し、上気道で増殖した後リンパ節に移行し、発熱や発疹などを伴う風しんを起こす。 • 通常は症状が軽く自然治癒するが、妊婦が感染すると胎盤で増殖して胎児に感染し、白内障、心疾患、難聴、発育不全などの先天性風しん症候群(CRS)をもたらす場合がある。
風しん対策 • 標準予防策+飛沫対策(+接触対策) • ワクチン接種 • 感染症例が妊婦と近接しないようにする。 • 免疫のない医療従事者は原則として感染症例を担当しないようにする。
麻疹、はしか • 小児に多いが、成人でも発病することがある。 • 麻疹ウイルスは経気道感染し、咽喉頭で増殖して発熱、結膜炎、上気道感染を起こし(カタル期)、さらに発疹をもたらして麻しん(はしか)を起こす。 • 通常は自然治癒するが、乳幼児において肺炎や脳症を合併することがある。 • 成人や移植患者が麻しんに罹患した場合は重症化する傾向がある。
麻疹、はしか対策 • 標準予防策+空気予防策 • ワクチン接種 • 感染力が強く、発症率も高い。 • 移植患者、新生児が感染症例と同室しないようにする。 • 免疫のない医療従事者は原則として感染症例を担当しない。
RSウイルス • 成人において通常軽度の上気道感染などのかぜ症候群をもたらす。 • 小児や高齢者では重症となる傾向があり、細気管支炎、肺炎、気管支炎をもたらすことがある。 • 鼻汁に含まれ、直接・間接に目や鼻に触れることで頻繁に接触感染する。 • 小児などにおける医療関連感染が問題となっている。
RSウイルス対策 • 標準予防策+接触予防策 • 流行することが多い病気だが、すごく軽いかぜ程度で済んでいる人もいるので、流行しないようにするのは大変難しい。 • 手洗いの遵守 • 物品の清拭消毒 • 咳エチケット • 地域の流行の把握
インフルエンザウイルス • A型、B型、C型がある。 • 感染力が強く、多くの健常人が感染し、発熱、頭痛、筋痛、上気道炎、全身倦怠感などのかぜ症候群症状を起こす。 • 高齢者では肺炎などの重篤な合併症を起こす可能性がある。 • 飛沫感染で感染力が強いため医療環境では厳密な感染対策が求められる。
インフルエンザ対策 • 標準予防策+飛沫予防策+接触予防策 • ワクチンの接種 • 手洗いの遵守 • 物品の清拭消毒 • 咳エチケット • 地域の流行の把握
ノロウイルス • 症状は嘔吐、発熱、下痢など。 • 10月頃から各地でみられ12月~3月までをピークとして全国的に流行する。 • 未だ培養細胞や実験動物への感染が成功しておらず、人は唯一の感受性動物である。 • 治療法が確立されていない。 • 他の食中毒菌にはない空気感染を起こす。 • 他の菌やウイルスよりも乾燥に強い。 • 感染力がとても強力。
ノロウイルス対策 • 標準予防策+接触予防策+飛沫予防策+空気予防策 • 10個~100個の菌量で感染するといわれている。(吐物1gあたり平均100万個、下痢便1gあたり平均1億個の菌量があるといわれている) • 流水と石けんによる手洗いの遵守。 • トイレに焦点をあて、清掃と消毒の徹底。 • 消毒薬には次亜塩素ナトリウムを使用。 • 作業時は手袋、マスク、ガウンを着用。
腸管出血性大腸菌感染症(O-157) • いわゆるO-157などの腸管出血性大腸菌が病原体。 • 症状は無症状、軽い下痢から粘血便、鮮血に近い便、嘔吐、腹痛まで様々。 • 重症の場合、出血性大腸菌に合併して、吐血性尿毒症症候群や脳症を発症し致命的となる場合がある。 • 極めて少ない菌量(約100個)で感染が成立するので、ヒトからヒトへ接触伝播による糞便、経口感染を起こすことが多い。
腸管出血性大腸菌感染症(O-157)対策 • 標準予防策+接触予防策 • 失禁がある場合などには糞便を念頭においた接触予防策を行う。 • 75℃で1分以上の加熱により死滅する。 ⇒生肉を使った肉料理を避ける。 ⇒肉の中心部まで十分に加熱する。 • 手洗いの遵守
手洗い • 手が汚れているとき、芽胞に接触したとき、アルコールでは効果が薄いウイルス等に接触したとき ⇒石けんと流水で手洗い • 手に汚れがないとき ⇒擦式アルコール製剤を擦り込む、または石けんと流水で手洗い
流水と石けんでの手洗いのポイント • 時計、指輪は外して手を洗う • お湯ではなく水を使う(お湯は手荒れしやすい) • 流水で手を濡らしてから石けんを手に取る • 泡タイプのものは特に意識して擦り合わせる • 手を拭くときは擦らず、押さえるようにしっかりと水分を拭き取る • 手洗い後、自分の顔などに触れない
擦式アルコール製剤使用時のポイント • 擦式アルコール製剤の適量の目安は約3ml(液状タイプの場合) ⇒メーカーの推奨使用量を確認してください。 • ゲル状タイプの場合、何度も使用し、手がべたついたら流水と石けんで手を洗う • 擦り込むことで消毒効果がある ⇒拭き取ったり、手を振って乾燥させない
手指衛生が必要な理由と具体例 ①患者に触れる前手指衛生が必要な理由と具体例 ①患者に触れる前 • 必要な理由 医療従事者の手で運ばれる微生物から患者を守る • 具体例 検温の前、腹部検診の前、体位変換を行う前等
手指衛生が必要な理由と具体例 ②清潔・無菌操作の前手指衛生が必要な理由と具体例 ②清潔・無菌操作の前 • 必要な理由 患者の体内に微生物が侵入するのを防ぐ • 具体例 血管カテーテル留置前、尿道カテーテル留置前、採血前 等
手指衛生が必要な理由と具体例③体液に暴露された可能性のある場合手指衛生が必要な理由と具体例③体液に暴露された可能性のある場合 • 必要な理由 患者の持っている微生物から、自分自身と医療環境を守る • 具体例 尿廃棄の後、ドレーン廃液の後、排泄介助の後、吐物処理の後 等
手指衛生が必要な理由と具体例 ④患者に触れた後手指衛生が必要な理由と具体例 ④患者に触れた後 • 必要な理由 患者が持っている微生物から自分自身と医療環境を守る • 具体例 検温の後、腹部検診の後、体位変換の後 等
手指衛生が必要な理由と具体例 ⑤患者周辺に触れた後手指衛生が必要な理由と具体例 ⑤患者周辺に触れた後 • 必要な理由 患者の持っている微生物から自分自身と医療環境を守る • 具体例 オーバーテーブル、床頭台、医療機器のアラームボタンに触れた後 等
擦式アルコール製剤のメリット • 消毒効果が確実である • 手あれを起こしにくくなる • 手洗いに要する時間の短縮 • コスト削減
咳エチケット • 咳エチケットは感染症の種類や有無を問わず、咳や鼻汁などの症状がある人すべてが実施すべき対策。 • 飛沫は会話で約1m、咳で約2m、くしゃみで約3m飛ぶといわれている。
手洗いまとめ • 予防の基本である手指衛生、咳エチケットをしっかりと行う。 • 手指消毒遵守率は経験年数に反比例して下がっていってしまう。 • 手荒れは手指衛生において天敵です。自分にあったハンドローションやハンドクリームを使用して下さい。
嘔吐物、汚物の清掃方法 「清掃前に準備するもの」 • 手袋 • マスク • ペーパータオル • ビニール手袋 • 次亜塩素酸ナトリウム 0.1% • ビニールエプロン • バケツ
個人防護具の着脱順序 手指衛生 着 ゴーグル ガウン エプロン マスク 手袋 手指衛生 手指衛生 ゴーグル 脱 ガウン エプロン マスク 手袋
①嘔吐物、汚物をペーパータオルなどで拭き取る①嘔吐物、汚物をペーパータオルなどで拭き取る ①必ず手袋とマスクを着用すること。 ②嘔吐物を必ず外側から内側に向けて拭き取る。 ③使用したペーパータオルはすぐにビニール袋に入れること。
②ビニール袋に入れたペーパータオルを消毒する②ビニール袋に入れたペーパータオルを消毒する ①使用したビニール袋の中に0.1%に希釈した次亜塩素酸ナトリウムを浸る程度の量を入れる。
③ビ二ール袋の口をしっかり 締める ①必ずビニール袋の口は締めること。 ②内容量が多い場合は2重にすること。
④拭き取った後の床を消毒する ①次亜塩素酸ナトリウムを染み込ませたペーパータオルを嘔吐物のあった範囲に敷き詰める ②5分~10分程度。漂白効果があるので注意!