1 / 67

アフラトキシンのリスク査定 「レッド・ブック」モデル教材

アフラトキシンのリスク査定 「レッド・ブック」モデル教材. Charles Yoe 博士 ノートルダム大学、メリーランド. リスク解析( Risk Analysis ). リスク管理 Risk Management. リスク査定 Risk Assessment. リスクコミュニケーション Risk Communication. リスク査定( Risk Assessment ). どのような障害が起きうるのか? What can go wrong? どのようにしてそれが起きるか? How can it happen? その頻度はどの程度か?

Download Presentation

アフラトキシンのリスク査定 「レッド・ブック」モデル教材

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. アフラトキシンのリスク査定「レッド・ブック」モデル教材アフラトキシンのリスク査定「レッド・ブック」モデル教材 Charles Yoe博士 ノートルダム大学、メリーランド

  2. リスク解析(Risk Analysis) リスク管理 Risk Management リスク査定 Risk Assessment リスクコミュニケーション Risk Communication

  3. リスク査定(Risk Assessment) • どのような障害が起きうるのか? What can go wrong? • どのようにしてそれが起きるか? How can it happen? • その頻度はどの程度か? How likely is it? • その影響の強さはどの程度か? What is the magnitude of the effect?

  4. 作業手順は?What are the steps? • コーデックス(CODEX) • 危害の特定 Hazard identification • 危害の特性解明 Hazard characterization • 暴露査定 Exposure assessment • リスクの特性解明 Risk characterization • 米国科学アカデミー(NAS) • 危害の特定 Hazard identification • 用量―反応関係の査定 Dose-response assessment • 暴露査定 Exposure assessment • リスクの特性解明 Risk characterization

  5. コーデックスのリスク査定(1) • 危害の特定 • 特定の要因と関連した既知のまたは潜在的な健康上の影響 • 危害の特性解明 • 食品に含まれる可能性がある生物学的、化学的、および物理的な要因と関係した悪影響の性情の質的、および/または、量的な評価。データが利用可能ならば、用量―反応関係の査定を実行すべきである。

  6. コーデックスのリスク査定(2) • 暴露査定 • 起こりそうな摂取の程度についての質的、および/または、量的な評価 • リスクの特性解明 • 危害の特定、危害の特性解明および暴露査定を、所定の集団について起こりそうな悪影響の推定に、付随する不確実性を含めて、取りまとめる。

  7. 米国科学アカデミーのリスク査定(1) • 危害の特定 • 特定要因への暴露が健康上の悪影響の頻度を増加させるかどうかを判定する。 • 用量ー反応関係の査定 • 暴露(異なる濃度または用量における)と健康上の悪影響の頻度との関係を特性解明する。

  8. 米国科学アカデミーのリスク査定(2) • 暴露査定 • 特定された要因への人間の実際、または、仮定上の暴露に関する強度、頻度、および継続期間の測定または推定 • リスクの特性解明 • 用量―反応関係および暴露査定の情報に基づく、暴露された個人または集団に対する特定危害が及ぶ確率の推定

  9. 七面鳥 X 病 • 1960年に英国で 1000羽の七面鳥が死亡した • 主な調査結果 • 飼料原料の落花生粕に含まれていた毒素により七面鳥が中毒した • 毒素は、ある種のカビが着生した落花生から見つけられた • Aspergillus flavusというカビ自体は中毒の原因ではない

  10. 七面鳥 X 病(2) • 1965年に MITグループが七面鳥 X 病の謎を解いた • アフラトキシン(Aflatoxin)の発見

  11. カビ毒 • 1960年代以前はカビ毒と関連した疾病に注意が払われていなかった • 輸入した落花生粕が、1960年代に英国で1000羽の七面鳥を殺した • カビの1種である Aspergillus flavusが紫外線を当てると蛍光を発する毒素を産生した • アフラトキシンB (AFB) • アフラトキシンG (AFG) • アフラトキシンの発見以降、100 種類以上のカビ毒が特定された

  12. カビとカビ毒 • かなりの世界的重要問題 • 公衆衛生 • 農業 • 経済 • 1989年には、米国の落花生生産に2億ドル(220億円)の損害を与えた • 挽き砕いた落花生は、とくに問題が多い

  13. 私達はアフラトキシンについて 何を知っていますか?

  14. アフラトキシン(1) • 密接に関連する4種類の化学物質の混合物 • その内の2種は、青い蛍光を発する: B1と B2 • その内の2種は、緑の蛍光を発する: G1 と G2 • 調査により汚染が一般的に確認できるもの • 落花生およびその加工製品 • トウモロコシ • ナッツ類 • 動物への給餌により、畜産物中に現れる

  15. アフラトキシン(2) • 実験によって明らかになったこと • 肝臓毒 • ラット、フェレット、モルモット、マウス、サル、ヒツジ、アヒル、ニジマスに癌を作る • これらの成績は1961-1976年に報告された • ヒトの食品汚染は低濃度であり、頻繁ではない

  16. アフラトキシンについてのいくつかの疑問 • 何を為すべきか? • アフラトキシンは公衆衛生上の脅威か? • どれだけの癌がアフラトキシンに起因するものか? • 何故、人間の癌と明確な関連がないのか? • 脅威であるとすれば、どのようにそれを制御できるのか? • 我々の財源のどの程度をこれに投資するのか?

  17. アフラトキシン中毒症 • カビが産生した代謝産物による中毒 • 実験に使った全ての動物とヒトに影響した • 食料供給が限られ、人々がカビの生えた穀物を食べた場合、脆弱性心臓、水腫、腹痛、肝臓壊死、肝臓腫大がみられる • 継続的摂取ーー肝癌

  18. FDAとアフラトキシン(1) • 決定された制限値は妥当であり、検出可能な値に基づいていた • 1968年には、 30 ppb を超える落花生製品は不適とされた • すぐ後に、20 ppb に引き下げられた • 発癌性物質に対しては、全面的に安全な濃度は設定することはできない • このことは、科学の進歩とともに食品の安全性が低下することを意味するでしょうか?

  19. FDAとアフラトキシン(2) • 20 ppbを満たすことは、ピーナッツバター業界に過大な負担とはならない • 偏食した落花生は選別機で取り除くことができる • 実質的に新しい品質管理手段が要求された • このことは科学的にどのような意味を持つか? • アフラトキシンが検出でき、その値が許容できないものであれば不許可となる

  20. その通り(Yes) • 動物において癌を引起す物質である • その制御のために、人間のデータを待っていられない • 動物実験は、人間のリスクについての信頼性のある指標となる • 如何なる濃度を摂取しても危険性がある • ヒトの暴露を排除するか、または、可能な限り低濃度に減らす

  21. 納得できない(No) • 動物の癌はFDA の基準値よりずっと高濃度で起きている • ヒトに安全なものを提供することは当然だが、 20 ppb は低すぎる • 安全な濃度を設定できないという考え方は、科学によって証明されていない • 動物が人間のリスクの信頼できる指標となることは証明されていない • 癌源性は動物種によって大きく異なる • 人間に癌を作るという証拠がない

  22. FDAとアフラトキシン(3) • いくつかの検査室では、5ppb でも容易に検出できるではないか • いくつかの検査室では、日常的に 1 ppb まで調べているではないか • FDAはこれらの下限値を採用しなかった • 1 ppb を検出するには大量のピーナッツ・バターを分析にかけなければならない • 1 ppb とすると、経済的影響がとてつもなく大きくなる

  23. 検出 • 分析化学者は、毒性学者がその生物学的意義を評価できない濃度まで、現在、測定することができる • 1 ppmは11.6 日の1秒に相当する • 1 ppb は 32年の1秒に相当する • 1 ppt は 3,169年の1秒に相当する

  24. ppb=百万分の1 • 汚染物質の重量を食品の重量で割った値 • ピーナッツ・バターの20 ppb 基準は、1 kgに20μg 1トンに20mg、 10トン積みトラック100台に卵1個(20g )

  25. アフラトキシン汚染状況( 1989年) μg/kg 汚染頻度 食品 14 ピーナッツ・バター(米国) 17/104 213 ピーナッツ・バター(フィリピン) 145/149 30 トウモロコシ(米国) 49/105 110 トウモロコシ(フィリピン) 95/98 25-150 小麦粉 20/100 na ブラジル産ナッツ 123/300

  26. その他の要点 • ヒトの暴露に最も関与しているのはトウモロコシである • 米国においては、落花生とピーナッツ・バターである • 旱魃とその他の災害がカビを繁殖させる • 加熱によってカビ毒は不活化されない • 加工処理もカビ毒の不活化に有効でない • 繁殖を防ぐことが鍵を握っている

  27. アフラトキシンと落花生 • 落花生とピーナッツ・バターの平均濃度は2 ppbである。 • FDAの規制濃度は20 ppbである • 実際には、15 ppbを超えるものは禁止される • 落花生による平均1日摂取量は0.005 ppbである

  28. 科学と経済 このような問題に関して、科学はいったいどれくらい確実だろうか? 経済的帰結の大きさは科学的思考に影響すべきではないが、科学的に不確実性がある場合には、科学者と政策立案者に影響を及ぼす。

  29. アフラトキシン管理の選択肢 • 定期的検査 • 旱魃の年は、より頻繁に • 汚染穀物の量 • 汚染穀物の残余を破棄する • 農業技術 • 穀物の強制乾燥 • 管理された保管条件 • カビが着生した食品の摂取を最小限にする

  30. コーデックスと米国科学アカデミーの リスク査定を見てみよう Let’s look at a CODEX/NAS risk assessment

  31. 危害の特定Hazard Identification • 理解の進展 • 七面鳥X病 • JECFA 1987 • JECFA 1997 JECFA: FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会

  32. JECFA 1987 • 1987年の第31回会議において評価された • ヒトに対する発癌物質と認定した • 耐用摂取濃度(tolerable intake level )を設定するための情報が不十分であった • 実施可能な最少濃度(lowest practicable level )まで低減することを勧告

  33. JECFA 1997 • 既知物質の中で最も強力な突然変異原性および発癌性のあるものの一つ • 多くの動物種で肝臓癌を作る • ヒトは他の動物種よりもリスクが低いとするいくつかの証拠 • 疫学的研究は検出可能な独立したリスクではないとした • 現在進行中の研究ー上海、タイ、啓東

  34. JECFA 1997 • B型肝炎ウイルスは肝癌のリスクを高める • 肝癌の50~100%がB型肝炎ウイルスと関連していると推定される

  35. 危害とは何か? What is the hazard?

  36. 危害の特定Hazard Identification • 委員会は、疫学的データ、動物実験による研究、試験管内の代謝試験を含めた科学的な証拠の重み付けを行い、アフラトキシンは食品を汚染する発癌物質として取り扱うべきであること、その摂取量は合理的に実施可能な限りの最小限の濃度に減らすべきであることの結論を得た。 • 出典 JECFA 1997

  37. 危害の特性解明Hazard Characterization • 我々は、単純な用量―反応解析を行う。 • このモデルにはコーデックスと米国科学アカデミーの2種類あるが、両者は本質的に同等である。

  38. アフラトキシンの毒性 • アフラトキシンB1(AFB1)は、アフラトキシの中で、最も一般的で、最も研究され、最も毒性が強い • 毒性は動物種によって異なる • アヒルの50%致死量(LD50)は、0.5 mg/kg • マウスのLD50は、60 mg/kg • ある動物種では核酸(DNA)と結合する • ヒトへの影響の査定は難しい • 死亡は、一般的に、肝臓障害による

  39. 用量ー反応関係の解析Dose-Response Analysis • アフラトキシンに関して利用可能なデータは限られている • 併発するB型肝炎によって撹乱される • 集団におけるアフラトキシン暴露の研究についての信頼性と正確性は不十分である • 用量―反応関係の反応曲線は分かっていない

  40. 情報源Sources of Information • 動物を用いた生物学的検定 • ヒトの摂取量調査 • 疫学的データ • 培養細胞系(組織培養) • 癌に関して最も一般的な動物実験

  41. 動物を用いた研究 • 高濃度においては、比較的少数の動物で事足りる • 他方、低濃度領域においてはデータがない • 低濃度領域における用量―反応を最も良好に近似する数理モデルはどれか? • 得られたデータに合致するか? • 当てはめた曲線または95%信頼区間から原点への限界直線的外挿

  42. 用量ー反応の直線的内挿 用量ー反応曲線の 統計学的上限値 実験データ 癌の過剰発生率 推定の世界 その他の外挿 推定される 用量ー反応曲線 直線的外挿 用量 実験可能範囲

  43. 低用量域における反応 • 「閾値がある場合と閾値がない場合」の仮定は重要である • 多くの数理モデルが想定できる • 推定される可能性の決定 • 安全係数(safety factors )に基づかない

  44. 用量ー反応関係(1) • 可能性としてある潜在的偏り • 正の相関がある研究のみが使われる • 現在の摂取量を優先して過去の摂取量が無視される • B型肝炎の流行が初期の研究において系統的に過小評価された • 原発性肝癌以外も含まれていた可能性がある • 内挿手法(Interpolation method)

  45. 用量ー反応関係(2) • 集団のリスク(Population risks) • 集団の種別によってリスクが異なる • 地理的 • 文化 -- 食事 • 感受性 --基礎的健康

  46. 用量ー反応に影響する要因 • 食習慣(diet)は毒性に影響する • ヒトの反応は様々である • 女性と子供は感受性が高い • B型肝炎は発癌リスクを高める

  47. 活性値(Potency Values) 体重1kgに対してアフラトキシンを1日1 ng摂取した時の10万人当りの年間発癌者数 B型肝炎抗体陽性 0.3人(信頼区間は0.05~0.5人) B型肝炎抗体陰性 0.01人(信頼区間は0.002~0.03人)

  48. 暴露査定Exposure Assessment • 危害要因への暴露の頻度と強度 • 暴露の重大性、期間、間隔、ならびに経路 • 暴露集団の規模、特性、ならびに階層 • 不確実性と係わる内容の詳述

  49. アフラトキシンの暴露査定Aflatoxin Exposure Assessment • 汚染濃度のデータには偏りがある • 研究は、汚染が考えられる商品のロットに焦点を当てる • 汚染濃度は、重要であるが正確でない汚染の推定パターンに注意を払って使用しなければならない

  50. 米国産トウモロコシのアフラトキシン汚染濃度の累積度数分布米国産トウモロコシのアフラトキシン汚染濃度の累積度数分布 (µg/kg) 1000 100 汚染濃度 10 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 1.0 1 0.01 0.8 0.95 0.9 0.975 累積度数 0.1 0.01

More Related