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神経内科(の魅力)との出会い方 神経内科(の幻影)との別れ方

神経内科(の魅力)との出会い方 神経内科(の幻影)との別れ方. 大切なものは目に見えない Wikepedia 丸写しで何が悪い 学び方を学ぶ 患者に教えてもらうという戦略 自分の外に正解を求めると思考停止 評論家にならず、当事者意識を持つ. 神経内科との不幸な出会い 神経内科医以外の場合. 学生の頃から「神経」は苦手だった 「治らない」と陰口を叩いていたのは、劣等感の裏返しで、本当は羨ましかった 医者になっても、ハンマーを見る度に劣等感に苛まれる 腱反射が亢進・正常・減弱って、一体どうやってわかるの? 「とても君にはわかるまい」とでも言いたげの嫌みな神経内科医.

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神経内科(の魅力)との出会い方 神経内科(の幻影)との別れ方

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Presentation Transcript


  1. 神経内科(の魅力)との出会い方神経内科(の幻影)との別れ方神経内科(の魅力)との出会い方神経内科(の幻影)との別れ方 大切なものは目に見えない Wikepedia丸写しで何が悪い 学び方を学ぶ 患者に教えてもらうという戦略 自分の外に正解を求めると思考停止 評論家にならず、当事者意識を持つ

  2. 神経内科との不幸な出会い神経内科医以外の場合神経内科との不幸な出会い神経内科医以外の場合 • 学生の頃から「神経」は苦手だった • 「治らない」と陰口を叩いていたのは、劣等感の裏返しで、本当は羨ましかった • 医者になっても、ハンマーを見る度に劣等感に苛まれる • 腱反射が亢進・正常・減弱って、一体どうやってわかるの? • 「とても君にはわかるまい」とでも言いたげの嫌みな神経内科医

  3. ここにも不幸な出会い→結婚不機嫌な神経内科医ここにも不幸な出会い→結婚不機嫌な神経内科医 • たった2時間で神経内科が、問診や診察手技が修得できるわけがない • 神経診察のこつ?そんなものあったら、こっちが訊きたい • 何年も苦労して修得した職人芸なんだ • 患者さんが目の前にいなければ教えようがない

  4. 今日の出会い系:出会い方を学ぶ • 問診との出会い • 物語の軸との出会い • 人間軸,時間軸,空間軸 • 空間軸(場面設定)のこつとの出会い • 除外診断学との出会い • 除外診察学との出会い • 演習問題:患者さんの物語との出会い • 成長の手段としての神経内科との出会い

  5. 問診無くして診察無し問診無くして診断無し

  6. 苦手意識の根本原因ー診察の嘘と問診の真実ー問診に対する苦手意識→興味への変換苦手意識の根本原因ー診察の嘘と問診の真実ー問診に対する苦手意識→興味への変換 • 神経診断の鍵は神経診察である→嘘!病歴8割,診察2割→嘘!問診無くして診察なし • 問診は職人芸である→嘘!患者さんが教えてくれる

  7. 腱反射の真実1 43/1157=3.7%

  8. 43歳の男性:無呼吸を疑われ紹介来院 3ヶ月前から瞼が何となく重く(閉じるまでいかない)睡眠不足かと思っていた。 まぶたをあげようと努力しているので同僚から人相が悪くなったといわれる。左 へ振り返ったときに一瞬ものが二重に見えることが時々あり、片目をつぶればはっ きり見える。同じ頃からからつばやものが飲み込みにくいと感じる事がありのど が狭くなった(少し体重が増えたので)と思った。1ヶ月前から食事(特に量の 多いとき)の後半になると顎が疲れてうまくかめなくなり時間がかかるようになっ た。(やすめばもどる)同時にこのころからシャンプーをしていると右手が重く なり支えないと頭まであがらなくなる。(休めば治る)

  9. 患者さんが教えてくれる 「朝目がさめる。起きて顔を洗う、歯を磨き、ひげをそる。家族と話しながら朝食をとる。コーヒーを飲みながら新聞に目を通す。ネクタイを締め、洋服を着、クツをはいて出かける。いつも混んだ電車に乗り、幸い足も踏まれずに駅におりる。さあ、会社では山積みの仕事だ。こんな日常のなんでもない生活や動作の、どれひとつをとってみても、脳や神経系の働きなしにはうまくできないものばかりです。・・・」 (『日常の中の神経学』 より)

  10. 学び方を学ぶー原理原則の汎用性と自律性ーー2時間でおさらい可能・忘れないーーこれまで散々やってきたことだからー学び方を学ぶー原理原則の汎用性と自律性ーー2時間でおさらい可能・忘れないーーこれまで散々やってきたことだからー 個々の病気の生物学知識 ー応用が利かない・きりがない・直ぐ忘れる・覚えるだけ無駄ー

  11. 問診・診察の学び方の原理原則患者さんに教えてもらう・助けてもらう問診・診察の学び方の原理原則患者さんに教えてもらう・助けてもらう 道徳・倫理ではなく 学習戦略!

  12. 診療の原点としての問診・診察患者に助けてもらう,教えてもらう存在道徳ではなく,基本的診療戦略診療の原点としての問診・診察患者に助けてもらう,教えてもらう存在道徳ではなく,基本的診療戦略 • 問診・診察そのものが教えてもらう行為 • 問診:何が困っているのかを教えてもらう • 診察:どうして困っているのかを教えてもらう • 非言語性メッセージを引き出す • 治療が始まった後も,モニタリング・評価のために問診,診察を継続し,繰り返す • 問診・診察は,相互学習の過程

  13. なぜ患者に教えてもらうのか? • 偉い先生は教えてくれない・助けてくれない • いつもそばにいない • 答えを知らない • 患者は教えてくれる・助けてくれる • 目の前にいる • 教えてくれる • 問診で病気の歴史を • 診察で病気の状態を • もちろん答えも

  14. 問診との出会いの喜び • 患者さんの困り事に共感を持てる自分 • 患者さんの負担の軽減を心がける自分 • むやみに検査に走らない自分 • 診断の学習に熱心な自分 • 診察の組み立てを考える自分 • 神経内科に興味が持てる自分

  15. 今日の出会い系:出会い方を学ぶ • 問診との出会い • 物語の軸との出会い • 人間軸,時間軸,空間軸 • 空間軸(場面設定)のこつとの出会い • 除外診断学との出会い • 除外診察学との出会い • 演習問題:患者さんの物語との出会い • 成長の手段としての神経内科との出会い

  16. 昏睡 81歳男性 昏睡 18歳女性 三手詰脳卒中はどちら?

  17. 昏睡 81歳男性 昏睡 18歳女性 脳卒中はどちら? 年齢・性別という人間軸

  18. 65歳男性 今朝起床時に左の手足に力が入らない 65歳男性 半年前からペットボトルの蓋が開けにくくなった 脳卒中はどちら? 20

  19. 65歳男性 今朝起床時に左の手足に力が入らない 65歳男性 半年前からペットボトルの蓋が開けにくくなった 脳卒中はどちら? 経過という時間軸,場面という空間軸

  20. 今日の出会い系:出会い方を学ぶ • 問診との出会い • 物語の軸との出会い • 人間軸,時間軸,空間軸 • 空間軸(場面設定)のこつとの出会い • リカちゃんハウスとプラレール • 除外診断学との出会い • 除外診察学との出会い • 演習問題:患者さんの物語との出会い • 成長の手段としての神経内科との出会い

  21. 日常生活動作家の中と外

  22. プラレールの病歴 • 徒歩で駅まで要する時間:筋力低下+固縮寡動 • 駅前の放置自転車の間を抜ける:姿勢反射 • 駅の階段を上る,降りる:筋力・痙性,運動失調 • 車内で立っている:姿勢反射 • つり革に掴まる:上肢筋力 • 網棚に荷物を上げる:上肢筋力 • 座席から立ち上がる:姿勢反射+(下肢近位筋)

  23. ハンドル:遅い アクセル:遅い ブレーキ:遅い ハンドル:切りすぎ アクセル:踏込み過ぎ ブレーキ:急 自動車の運転 脊髄小脳変性症 パーキンソン病

  24. リカチャンハウスでのチェックポイント

  25. トイレ動作の障害

  26. トイレ動作のチェックポイント • 立ち上がり:洋式,和式 • 手すりの位置:左右・縦横 • お尻を拭けるか • 下着を下ろす動作の速度 • 部屋の広さの影響

  27. 風呂場,洗面・脱衣所での障害 • 湯船の出入り • 右手(左手)で頭をうまく洗えない • 頭を洗うとき腕が疲れやすい • シャンプーが目に入ってしまう • 顔を洗うときふらつく • 着替えが遅い • パンツを下ろす:立って?座って?

  28. 台所での障害 • パーキンソン病 • 米をとぎにくい • 生卵をときにくい • 炒め物が苦手 • 脊髄小脳変性症 • 漬物の切り方が不揃い

  29. 嚥下障害の負荷:量と質 • 量と速度の負荷 • ペットボトル,缶から直に • ストロー,コップに移し替えて • 液体,麺類,固形物の正常 • 脊髄小脳変性症:麺類が苦手.ストローも? • 筋萎縮性側索硬化症:麺類は得意

  30. 電話が嫌いになるー聞き取りにくいと文句を言われるー電話が嫌いになるー聞き取りにくいと文句を言われるー • 声が小さい・早口:パーキンソン病 • 酔っ払い:脊髄小脳変性症 • 声がかすれる:ALS

  31. 会話の負荷と問診の感度 • 負荷軽:家族と直接話す→感度低 • 負荷中:他人と直接話す→感度中 • 負荷重:他人と電話で話す→感度高 電話での会話障害の問診は感度がずっと高くなる

  32. 書斎での障害

  33. 書字障害の問診量・質の負荷 • 大量に書く:年賀状 • 他人にわかりやすいように書く • お客さんへの領収書 • 教師の板書 • キーボードの神経学はこれから

  34. 着替え,整容 • ボタンをはめにくい • 手の筋力低下 • ズボン・スカートを立って穿けずに座って穿く • 体幹失調 or 下肢近位筋筋力低下 • 上着の袖を通すのが困難 • 上肢近位筋力低下 • 着替えそのものが遅くなる • 髪を梳かす

  35. 神経疾患問診鑑別診断バッテリー

  36. 今日の出会い系:出会い方を学ぶ • 問診との出会い • 物語の軸との出会い • 人間軸,時間軸,空間軸 • 空間軸(場面設定)のこつとの出会い • 除外診断学との出会い • 除外診察学との出会い • 演習問題:患者さんの物語との出会い • 成長の手段としての神経内科との出会い

  37. 除外診断学

  38. 80歳女性・数日前より続く頭痛脳腫瘍が心配 除外診断でニセ医者ではないことを示す

  39. 予診表:20歳女性。手が震える • 前立腺癌ではない? • 悪性黒色腫ではない? • 心筋梗塞ではない? • 白血病ではない? • 胃潰瘍ではない? • アルツハイマー病ではない? • 頭部外傷ではない? • パーキンソン病ではない? 年齢・性別という患者軸が違うと除外診断も変わる

  40. この時点で先を読む • 両手が震える場合 • 病歴主要チェックポイント • 診断の絞り込み • それぞれの診断に対応した診察項目 • 片手が震える(左右差が明らかな)場合 • 病歴主要チェックポイント • 診断の絞り込み • それぞれの診断に対応した診察項目

  41. 診断の大部分は除外診断 • 実はあなたもやっている • しかし、そのプロセスを意識していない • 「当てずっぽう」ではなく、「絞り込み」 • 除外診断に役立つもの • 実習、経験、暗黙知 • 教科書・ネットに載っていない • Rule in, 診断確定に使うもの • 教科書・ネットに載っている

  42. 除外診断:暗黙知の言語化 • ××ではないと説明できる能力 • 「マイナスの想像力」:もし××だったらどんな都合の悪いことがあるか? • ○○と△△と××では,蓋然性はどのような順序になるか?→優先順位をつける • 陰性徴候:「例外」の取り扱い要項の心得

  43. 外来はこういう感じ • 診断の初期ほど、より大量の除外診断が行われる。 • 予診表の段階など、それはそれは膨大な除外診断が行われる • 問診はもっぱら除外診断のプロセス 診断確定 外来初診

  44. 診断のプロセス:解釈モデル 従来型:実は違う 実際はこちら 診断確定 診断確定 診断不明 診断不明 一つの検査で診断確定 外堀を埋めていく

  45. 問診:外堀を埋めていくイメージ • 問診の初期ほど除外診断の割合が高い • それに今まで気づかなかったのは? • 意識下で非言語性プロセス • 自動で高速処理が行われる

  46. 除外診断は問診が主力 診察よりも感度が高い 診察よりも細かな項目がチェックできる 診察よりも素早くできる 診察よりも医師の間でばらつきがない

  47. 43歳の男性:無呼吸を疑われ紹介来院 3ヶ月前から瞼が何となく重く(閉じるまでいかない)睡眠不足かと思っていた。 まぶたをあげようと努力しているので同僚から人相が悪くなったといわれる。左 へ振り返ったときに一瞬ものが二重に見えることが時々あり、片目をつぶればはっ きり見える。同じ頃からからつばやものが飲み込みにくいと感じる事がありのど が狭くなった(少し体重が増えたので)と思った。1ヶ月前から食事(特に量の 多いとき)の後半になると顎が疲れてうまくかめなくなり時間がかかるようになっ た。(やすめばもどる)同時にこのころからシャンプーをしていると右手が重く なり支えないと頭まであがらなくなる。(休めば治る)

  48. 問診の時の問いかけーマイナスの想像力ー • もし、○○病だったら、どこがおかしいか?を、基本的な情報から判断する • なぜなら、診断初期には基本的な情報しかないから←誰でも取得できる • 横断的な(その場での)本人自身の情報 • 患者本人の生物学的基本情報:年齢、性別 • 患者本人の様子・印象:意識、会話、基本動作 • さらに時間・空間を広げて情報収集 • 生育歴、家族歴、既往歴、嗜好・食生活、家庭環境

  49. 外来初診で行われる除外診断例 • 病歴は問題なく聴取できる • 認知症・記銘力障害は否定できる • 長谷川式スケール・失語症検査の必要はない • 普通に歩ける • 下肢の徒手筋力検査は省略しよう • 瞬目・開眼時に左右差なし • 顔面筋の筋力低下なし

  50. 今日の出会い系:出会い方を学ぶ • 問診との出会い • 物語の軸との出会い • 人間軸,時間軸,空間軸 • 空間軸(場面設定)のこつとの出会い • 除外診断学との出会い • 除外診察学との出会い • 演習問題:患者さんの物語との出会い • 成長の手段としての神経内科との出会い

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